天地人
▼パクス・アメリカーナの終焉
パクス・アメリカーナって言葉知ってますか?
軍事や経済などにおける超大国アメリカの覇権、というような
意味だそうで…。
そういう意味では、このパクス・アメリカーナの時代も終わり
かなって思わせるような内容の本です。
File No.28
『強欲資本主義 ウォール街の自爆』
神谷秀樹 文春新書(710円)
オススメ度 ★★☆☆☆
この本が出版されたのは昨年の10月ですから、まだアメリカ
大統領選挙の帰趨が定まっていない頃です。
その時期にすでに作者は、オバマが政権を握るようになれば、
アメリカもまた生まれ変わる可能性があるし、そうなっていく
ことは充分あり得る、と言っています。
事実、オバマ政権になったわけですから、アメリカは再生の
方向に向かうのでしょうか?
しかし、アメリカの病根は深いものがありますねえ。
前回のNo.27で抱いた思いをさらに深くしました。
サブプライムローンの闇の底もまだ見えないのに、モノライン
保険や、次のさらに強力な地雷原と言われている
「商業用不動産ローン」の怖さ。
そうこうしているうちに、米ドルはもはや世界唯一の基軸通貨
ではなくなったとするのは、多くの識者に共通する見解の
ようです。
さらに作者は、「お金より大きな問題は、人と人、人と会社の
『信頼の輪』が切れてしまったこと」という深刻な警鐘を鳴らして
います。
そうです!、そんな今だからこそ「天地人」の「愛」と「義」
なのです。私たちの原初の精神に立ち返るべき時です。
WBCでも、ニッポンのサムライたちが魅せてくれたじゃあ
ないですか「日本力」を。(原監督好きだけど、言語感覚が
ちょっとイマイチでしたかねえ、今回の場合ちょっと…)
同感・共感の本でしたが、作者もウォール街の一員ということで、
私的にはそこんとこだけちょっと説得力に欠けるかなってことで、
★ふたつ!
でも、ナカナカ骨のある内容ですよ。
2009.03.25:ycci
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