天地人
▼これは売れるわけだ
世のビジネス書というとカタいイメージありますよねえ。
エラい経営者の出世話や成功談はハッキリ言ってあんまり
好きじゃありません。
物語のスパイスとしての軽微な失敗談も嫌味に感じてしまう
時があります。(そんぴんなのかも?)
でも、この本は平易な文体で書いてあって、なかなか面白
かったです。昨年のヒット新書の1冊だそうですが、なるほど
これは売れるわけです。
File No.16
『明日の広告-変化した消費者とコミュニケーションする方法』
佐藤尚之(アスキー新書 743円)
オススメ度 ★★★☆☆
「変化する消費者をよく見て理解し、一緒にコミュニケーション
をつくっていく」「広告は消費者のソリューションでなければ
ならない」というのが、ズバリこの本の要旨です。
消費者を変化させたものは、ネットの出現+情報洪水+成熟市場。
AIDMA(アイドマ=注意→興味→欲望→記憶→行動)と言われ
てきた消費行動が、AISAS(アイサス=注意→興味→検索→
行動→共有)に変わってきたという指摘にはナルホド!
とくに、「スラムダンク1億冊感謝キャンペーン」の事例は興味
深いものがありました。決してスマートにやっているわけでは
なくて、発信する対象(愛読者)のことを徹底的に考え抜いて
仕掛けているのです。
広告も、デザインも、コピーも、表面的なカッコ良さだけでは
すぐに化けの皮がはがれてきます。まずは受け手のことを徹底的に
知り抜くことから始まるのです。そういう意味で、広告とは、
筆者が言うように、受け手に対する熱烈なラブレターなのかも
知れません。
これは何も広告に限ったことではなく、ものづくりにも、サービス
にも、さらには人間対人間の世界でも同じことが言えるのでは。
広告業界向けの内容ながら、広く読まれているゆえんでもある
ような気がします。
2009.02.28:ycci
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