天地人

▼天災は忘れたころに

先日、ひょんなことから災害の話題になりまして。
保育園児のころの「新潟地震」、小学生のころの
「羽越水害」、いずれも甚大な被害を出した災害で
今でも震えるような思い出になっています。
近年では、1995年の「阪神大震災」が最も衝撃的且つ
悲惨でした。

File No.6
『クラッシュ』佐野眞一(新潮文庫 590円)
オススメ度 ★★☆☆☆

本屋さんで何気なく買った本で、いつものとおり、いつ
読むとも知れず、机に積んでいました。
が、たまたま先日、パラパラ読み出したら止まらなく
なってしまい、一気に読んでしまいました。
その理由は、この本に取り上げられている6つの事件・
事故・災害に対する筆者のルポルタージュのスゴさです。
6つの中で、最も頁数を割いているのが「阪神淡路大震災」。
地震のなんと2日後に筆者は被災地入りするのです。
その根性からしてスゴい!
当代一流(と私は評価している)ノンフィクションライター
の筆者が描く被災地の様子は、決して、テレビの平板な
映像では感じることの出来ない迫真感があります。
もう10年以上も前のことですが、私の認識をはるかに
超える惨状だったことを、改めて知らされた思いです。

蛇足ながら…。
昨年、上京した折に、両国にある東京都慰霊堂と復興記念館
を見てきました。そうです、わが郷土の偉人伊東忠太博士の
設計によるものです。
建物の壮麗さもさることながら、中に展示されている関東
大震災と東京大空襲の惨状は、目を覆うものがありました。
「阪神淡路大震災」は「関東大震災」の二倍以上の激震だった
と言いますから、その惨禍たるや人知を超えています。
「天災は忘れたころにやってくる」は、言い古されていますが、
なんだか不気味で不安な格言ですねえ。
2009.02.01:ycci

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