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ラリーマシーン
俺は、草原に羊を追う。
1分1秒は、生きるために羊を追い、羊も生きるために一口一口草を食べる。
人生とは何か?・・・それは、人間だけでしかないこと。
羊に羊生などはない。人間だけに受け継がれていくだけのこと。
大自然、大宇宙の前では、羊も人間もない。”
いつか人間が滅んでも、人間が生きた証を残そうとその中に自分の名前を残すんだ”そんなことを言っても無駄なんだ。そのころには、地球さえないんだら・・。羊が生きるために食べている草原をラリーカーが疾走ていく。何十台も。。
残ったのは、タイヤで藁のように枯れたいく筋ものタイヤ痕。
羊は、その縦長に残った草原を探って食べる。
あるとき、1台のラリーカーが草原のくぼみにタイヤがはまり、止まった。近づくと、美しい女性だった。
タイヤがはまったときに、ラジエターの下を打ったようで、水が漏れていた。”これでは走れない”と言いながら工具で必死に修理をはじめた。
タイヤは、手伝ったら脱出できたものの、修理と水が必要だった。
修理を終えて、彼女と水を汲みに行った。
彼女は、”この自然はすばらしい。大切なものです。
これを汚しているなんて許せませんよね!!”と水を補給して”また来ますね”と言って去った。
確かにすばらしいし、汚すことは許せない。でも、彼女の”すばらしい”と”許せない”は、私の”すばらしい”と”許せない”のとは、絶対に違う。
羊が彼女の去った隙間の草を食んでいた。
彼女の1分1秒と私の1分1秒の違いは、大きい。
2005.06.03:
K.Y
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