VERG Kiny note

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また、桜の季節はやってきた。

人に愛でて欲しいわけじゃないだろう。それでも咲く桜を待っている自分が居る。

寒かった冬との決別の確実な知らせに誰もが心躍らせる。まるで恋焦がれるように。

咲く前のつぼみのうちから膨らみ具合を確かめて、かすかに若芽の香りを発して、漂わせる香りはほのかにくすぐり心を奪われてしまう。

4月のはっきりしない山の稜線のグレーの空に、淡いピンクの花を一杯につけると、色のトーンが合っていて心地がいい。

淡雪を思わせる散り始め。散ることにさえ美しさを感じる花は少ない。

自然現象であるにもかかわらず、これほど待ち焦がれることは他の自然現象にはないだろう。

暖かくなった喜びと一緒に春の香りと淡い色に包まれ、厳しい冬を乗り越えた幸福感と達成感に。。

広がるほの暗く青い宇宙空間に薄ピンクの花びらを散り広がってくれ。ぐるぐると渦を巻きながら桜の花びらの銀河となって宇宙全部を染めてくれ。

2005.07.11:K.Y:count(2,912):[メモ/コラム]
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