中獅子踊り練習の取材その②【飯豊町】中地区(中公民館)
8月9日(金)にも飯豊町無形文化財「中獅子踊り」の練習に伺いました。 この日は、獅子頭(ししがしら)を被っての練習です。 ※前回の練習(8月5日(月))につきましては、 こちら をご覧ください。 飯豊町中地区の中公民館には張り紙も張り出され、いよいよ獅子踊りの日が近づいてきました。 この日からはいよいよ中獅子踊りに伝わる獅子頭が登場です。 この三匹の獅子が主役となります。 左から、友獅子、雌獅子、雄獅子です。 三匹とも似ていますが、大きさ・模様が違い、三様です。 中獅子踊りの歴史は、そもそもの起源は明確ではありませんが、今から600~700年前と言われています。 現在踊られている「中獅子踊り」はいつ頃から踊られていたかは、明治時代からはあったとされ、 こちらの道具からも明治三十三年に新調されておりますので、それ以前からも盛んに踊られていたことがわかります。 こちらは「中獅子踊り」で使用するまといです。 獅子の行列の先頭にまといを持ちます。 山形県の獅子踊りの特徴のひとつに、このまといがあげられますが、山形県以外の地域にはみられない特徴だそうです。 色男(いろおとこ)と称する者が一人、このまといを持ちます。 まといの上部に桜の花がつけてあるのがわかりますが、獅子が桜の花の咲く頃うたい踊って、自分の心を慰めたということと、日本の象徴を表しています。 女の子は、笛吹きです。 「中獅子踊り」の当初は、笛吹きも男の子が担っていたそうですが、近年の人出不足と存続の関係から、女の子も笛役に参加しています。 こちらは獅子踊りの終盤の演目の「三角踊り(さんかくおどり)」です。 その名の通り、獅子が三角の形になって踊ります。 最後は「輪くぐり」の練習で締めくくります。 中獅子踊りの「輪くぐり」は以前に火をつけての「火の輪くぐり」を行った年もあったそうです。 獅子(獣)は、火が怖いですが、怖いものに立ち向かっていく姿勢、意思表明が伝わります。 中獅子踊り保存会のご指導者の方は、 「自身も幼い頃から中獅子踊りに参加し、大人になった現在も自分の子に受け継ぎ、また近所の子たちも地元から離れる人も多い中で、これだけ集まって、毎年中獅子踊りをできることは凄いことでもあり、嬉しいことです。」と言っておりました。 いよいよ8月14日に迫った飯豊町「中獅子踊り」 前の庭・後の庭の唄と踊りが続けられ、終わればみち笛により、その次、その次の庭へと移動し、豊作を祝う喜びに満ちた人々は、その後を追って、そして夏の夜は次第に更けていきます。 飯豊町「中獅子踊り」 日時:平成25年8月14日(水) 午後5時30分~ 巡演順番:1.中北 公民館出発 2.沖 公民館前(午後5時30分より) 3.新田 自治館前(午後6時10分より) 4.中西 公民館前(午後6時50分より) 5.中北 公民館前(午後8時より) 6.中 公民館前(午後8時40分より) 主催:中獅子踊り保存会 ぜひ機会がございましたら、「中獅子踊り」に足を運んでみてください。 置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。 ○取材日 平成25年8月9日(金) ○取材ご協力 中獅子踊り保存会の皆さん 中 公民館(飯豊町)
2013.08.12