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「小松豊年獅子踊」を終えてインタビュー

  • 「小松豊年獅子踊」を終えてインタビュー
■インタビュー①

 中学生を代表して、男子生徒1名、女子生徒1名にそれぞれインタビューさせて頂きました。はじめに、本年で参加3年目となる牝獅子担当の中学3年生の男子生徒にお話を聞きました

牝獅子役の男子中学生3年
Q.小松豊年獅子踊には、なぜ参加しようと思ったのですか?

 小さい頃から小松豊年獅子踊を見ていて好きだったので、自分も踊ってみたいと思い、参加しました。

Q.小松豊年獅子踊では、何を担当されますか?

 今年は牝獅子を踊ります。中学1年生のときは太鼓を担当し、中学2年生のときは供獅子を担当しました。
 参加一年目は、太鼓から始めることが多いのですが、獅子をやりたい人は獅子踊りの練習をして、自分の希望する役を練習していきます。

Q.小松豊年獅子踊のどのようなところが楽しいですか?

 踊っている瞬間が一番楽しいです。今年はずっと憧れていた牝獅子を踊らせて頂くので、精一杯踊りたいです。

Q.牝獅子に憧れていたとのことですが、どういったところに魅力を感じますか?

 牝獅子は火の輪をくぐって跳ぶ場面があり、かっこよくて憧れていました。今年は自分が輪をくぐる役なので、頑張りたいです。

Q.中学生の若い世代が参加することによって、どのような意味合いを持つと思いますか?

 小松豊年獅子踊は、昔から続く川西町の郷土芸能なので、若いときから獅子踊りに参加して、川西の伝統を大人達から受け継いでいき、途絶えないように伝承していきたいと思っています。

Q.ご指導者の方は“小松豊年獅子踊”を守り続けてきたと思いますが、一緒に練習に励む中で、そのような取り組みや思いを間近で感じる機会も多かったと思いますが、どう感じますか?

 僕たちはまだ子どもですが、当日の衣装の準備や会場整備をしてくださったりして、裏の面での支えがあるから僕たちも獅子踊りをやっていけると思うので、本当にありがたいと思います。

牝獅子役の男子中学生3年
Q.中学校3年間、小松豊年獅子踊に参加されてきて今年で中学生として最後の参加となりますが、3年間振り返ってみてどうでしたか?

 自分達の踊りは、大人の方に比べたらまだまだ適わないと思いました。

Q.獅子踊りを拝見しましたが、とても素晴らしい踊りでした。

そのようには感じられなかったのですが、どういったところがそう思いますか?


 大人の方は、獅子踊りの手を使った掻き方が上手で、体も足も一体となって動いていて、自分のものにして本物の獅子のように綺麗に踊るのですが、僕たちが演じるとどうしても振りになってしまい、布を使った動きも手こずったりした部分がありました。大人の方に比べたらまだまだだと感じました。

Q.牝獅子の見せどころの“輪くぐり”。見事でした。観客からは拍手が沸き起こりましたね。

こちらはいかがでしたか?


 練習ではうまくいかなくて着地も下手だったので心配だったのですが、 本番は成功したので良かったです。

Q.中学卒業後の小松豊年獅子踊との関わりについては、どのように考えていますか?

 指導してくれている大人の方々には、お誘いをいただいているので高校生になっても時間があれば参加したいと思っています。

Q.この先、同じように小松豊年獅子踊を受け継いでいく中学校の後輩へ伝えたいことはありますか?

 小松豊年獅子踊は、平安時代から続いているので、僕たち若い世代が途絶えないように、しっかりと残していきたいです。踊りの面では、変なアレンジなどしないで振り付けも正確に覚えて伝承して欲しいと思います。

―ありがとうございました。今後のご活躍も期待しています。

■インタビュー②

続いて、花笠担当の中学3年生の女子生徒へのインタビューです。

花笠担当の女子中学生3年
Q.小松豊年獅子踊の発表を終えて、感想をお聞かせください。

 今年は、憧れの花笠を担当することができて嬉しいです。紫色が好きなので、中学生最後の年に綺麗な衣装を着ることもできたので良かったです。

Q.小松豊年獅子踊において、やりがいを感じる場面はありますか?

 みんなで揃ったときが一番楽しいです。練習でも揃えば揃うほど、意気込みが強くなります。

Q.踊りを覚えるのは大変でしたか?

 参加当初はなかなか覚えられず、そのときに当時の3年生の先輩が声をかけてきてくださって、アドバイスを貰ったり、いろいろな面で教えていただいたので仲間の支えがあったからこそ、ちゃんと覚えることができたと思います。

Q.上級生になった今年は、同じように後輩にご指導するときはありますか?

 後輩ではないのですが、同学年で参加した年が違う子には、アドバイスしたりして仲間同士で協力し合うことを心がけています。

花笠担当の女子中学生3年
Q.中学生のみなさんが参加することによって、どのような意味合いがあると思いますか?

 毎年、違う学年の人達が入ってくることによって、仲間が増え、絆を深めることができるので良いことだと思います。

Q.ご指導者の方は“小松豊年獅子踊”を守り続けてきたと思いますが、一緒に練習に励む中で、そのような取り組みや思いを間近で感じる機会も多かったと思いますが、どう感じますか?

 私達はまだ未熟ですが、大人の人達は踊りも出来て、刺激を受けることが多いです。大人の方を見ていて、自分たちもこうなれたらいいなという憧れがあります。

Q.中学校での参加は最後の年となりますが、今後も参加していきたいですか?

はい。中学校を卒業しても参加できる機会があるなら、これからも参加したいです。

―ありがとうございました。

中学校での経験が、川西の郷土芸能である小松豊年獅子踊を守り続けるきっかけとなるのだと思いました。今後のご活躍も期待しています。






2013.08.21:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

『小松豊年獅子踊』披露【川西町】大光院ほか商店前会場

  • 『小松豊年獅子踊』披露【川西町】大光院ほか商店前会場

           



8月16日(金)に川西町小松地区に伝わる「小松豊年獅子踊」が披露されました。
小松地区に伝わる「小松豊年獅子踊」は、平安時代に起源を持つとされる民俗芸能です。


川西町「小松豊年獅子踊」

日時:平成25年8月16日(金) 午前9時00分~

巡演順番:1.大光院
     2.大光院赤御堂
     3.やまか
     4.繁昌軒
     5.錦屋
     6.ヤマザワ川西店
     7.中央公民館

主催:小松豊年獅子踊会
   小松豊年獅子踊保存会



毎年、8月16日に置賜山大光院(だいこういん)、8月27日に諏訪神社にそれぞれ踊りを奉納しています。
そして、奉納を終えると町内を練り歩き、商店前などで踊りを披露します。
この日は、川西町内の大光院や赤御堂前、ヤマザワ川西店など上小松内5ヵ所を会場に、大人・中学生による獅子踊りが奉納されました。


小松豊年獅子踊の獅子頭はすべて黒色で、また衣装は紺色が牡獅子(おじし)、橙色が牝獅子(めじし)、黄色が供獅子(ともじし)となっています。
そのほか、太鼓を持つ仲立(なかだち)、色鮮やかな衣装に身を包み花笠をかぶった花笠(はながさ)・早乙女(さおとめ)、まとい持ちがいます。
太鼓、笛、唄に合わせ、3匹の獅子が田植えなど農作業を表す舞や踊りを披露。
前、中、末の3庭すべてを披露すると50分ほどかかるため、普段は「中の庭」のみを披露しているそうです。
戦時中は一時途絶えたものの、文化遺産としての重要性が再認識され1949年に復活しました。
大人の披露する「小松豊年獅子踊」は、県指定無形民俗文化財となっております。


伝承活動の一つとして、大人の発表の前に、川西町立川西中学校の生徒たちによる豊年獅子踊も披露されました。
1972(昭和47)年ごろから、後継者育成のため町立新山(しんざん)中学校に郷土芸能クラブがつくられ、夏休み中に生徒たちが小松豊年獅子踊の練習に取り組んできました。
時を経て中学校の名前が川西町立川西中学校と変わった現在も、郷土芸能クラブは継続されています。
川西の郷土芸能が代々受け継がれていくのです。


こちらでは、中学生の披露の様子をお伝えします。


【川西町 錦屋前での披露(午前11時25分より)】





牝獅子(めじし)





左奥から早乙女(さおとめ)、花笠(はながさ)。
手前は仲立(なかだち)。





花笠は、華やかな薄紫の衣装に身を包み、早乙女とは違った雰囲気です。





花笠と早乙女による太鼓。





最大の見せ場である牝獅子の輪くぐり。

はぐれた子獅子を火の中までも探しに行く様子を表現した火の輪をくぐる「狂い獅子」です。
中学生の披露では火はつけませんが、大人の披露と同様、盛り上がりを見せ大きな歓声と拍手に包まれていました。








3匹の獅子と、花笠・早乙女が交互になり、踊る場面もあります。





牡獅子(おじし)





供獅子(ともじし)





牝獅子(めじし)





踊りを終えたら、まといを先頭に行進です。
華やかな衣装に身を包み、歩く様子が綺麗でした。





【ヤマザワ川西店での披露(午後12時より)】





大勢の観客が見守る中、中学生のラスト披露となります。
中学生は、町内4ヵ所で獅子踊りを行いました。











中学生3年生の「花笠」担当の女子生徒2名です。

発表を終えた後に、女子生徒さんにインタビューさせて頂いたところ、
「紫色が好きなので、今年は憧れの「花笠」の衣装を身にまとい、演じることができて、嬉しい。
中学を卒業しても、「小松豊年獅子踊」に参加できる機会があるなら、これからも参加したい。」

と話してくださいました。











輪くぐりの様子です。





歌・笛を担当されるのは、「小松豊年獅子踊会」のみなさんです。
「小松豊年獅子踊会」は、大人のみなさんで、踊会のみなさんも自身が中学生の頃はこの獅子踊りに参加したそうです。
今では立派な継承者として、中学生にも指導を行い、「小松豊年獅子踊」の伝承・保護活動を行なっております。



【大人による披露】
県の無形民俗文化財に指定されている大人による獅子踊りもご紹介します。
小松豊年獅子踊のクライマックスを飾る火の輪くぐりの場面です。





燃え盛る火の輪。
本来、火を嫌う獣がなぜ火の輪に向かっていくのか疑問に思う人がいるかもしれません。
この場面は子獅子をさらわれた母獅子が探し歩き、狂った様子が表現されているのだそうです。
火の輪をくぐることで、母獅子の子どもを思う気持ちが伝わってきます。





実際に牝獅子を演じている人はというと、少なからず危険が伴い、勇気と経験が必要です。
練習を重ねてきたとはいえ、実際に火を点けるのは本番だけだそうで、演技者の緊張感は相当なものだと思います。
火の輪に注意を払うのはもちろんですが、くぐり抜けたその後にも危険が潜んでいます。
アスファルトなど地面に向かって、素手で飛ん込んでいくため、着地するまで気を抜くことはできません。
また、火の輪持ちとのコンビネーションも重要です。
火の輪持ちは、牝獅子役の足が曲がったりして輪にひっかかりそうになれば、すかさずうまくくぐり抜けられるように輪を移動するのです。
踊り手の経験と信頼関係が華やかな場面を支えているのです。



この日の発表以外に練習にも取材に伺い、一生懸命な姿を拝見し、練習を積み重ねてきた中学生の見事な獅子踊りはとても素晴らしく心を打たれました。
同じ日に、白鷹町の八乙女八幡神社で小学生が披露する「八乙女の舞」に伺ったのですが、どちらも子どもを主体とする伝統芸能で、共に素晴らしい発表で感銘を受けました。

見ている側としては、中学生の披露は、中学生が披露しているとは思えないほど、大人と同様に上手でしたし立派だと感じましたが、
演じる側としては、向上心を持ち、まだまだ目標高く踊っているのだと感じました。
中学生の熱い思いを胸に感じ、この獅子踊りの経験を大人になっても伝承していき、守り続けて欲しいと切に願います。
参加している中学生の生徒はみな、地域を愛し、川西の人々が守り続けてきた「獅子踊り」に特別な思いを抱き、参加していると感じることができました。

中学生による「小松豊年獅子踊」の次回の披露の場は、中学校の文化祭となるそうです。
今後のご活躍も楽しみにしております。


川西町「小松豊年獅子踊」

日時:平成25年8月27日(火) 午前9時15分~

巡演順番:1.諏訪神社(川西上小松)前 (午前9時15分より)
     2.以後13時頃まで、上小松地区内を中心に4ヶ所程度を巡行。
     ※写真撮影は、諏訪神社がお勧めです。

主催:小松豊年獅子踊会
   小松豊年獅子踊保存会



皆さんもぜひ「小松豊年獅子踊」に足を運んでみてください。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○取材日    平成25年8月16日(金)

○取材協力   原田正明さん(小松豊年獅子踊会会長)
        小松豊年獅子踊会の皆さん
        川西市立川西中学校「郷土芸能クラブ」の皆さん
        川西町中央公民館 ほか







2013.08.20:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

『小松豊年獅子踊』練習の取材【川西町】川西町中央公民館

  • 『小松豊年獅子踊』練習の取材【川西町】川西町中央公民館

           


8月16日に開催される川西町の「小松豊年獅子踊」の練習の取材に行って来ました。
「小松豊年獅子踊」は、昭和55年に山形県無形民俗文化財に指定されています。


川西町の「小松豊年獅子踊」は、毎年8月16日、8月27日の2日間開催され、五穀豊穣のまといを先頭にして町内を笛と太鼓でねり歩き町内要所で踊ります。
盆の16日には、置賜の霊場大光院に登って踊り、27日の諏訪神社の祭礼には社殿前で踊ります。


◆小松豊年獅子踊の由来
平安時代の初めに、法輪のかどでこの地に流れされてきた、法相宗野高僧「徳一上人」を慰めるために、この地の里人が踊ったことが始まりとされています。
以来、上小松の若者達によって伝承され寺院「大光院」の盆行事の一つとして定着したこの踊りは、江戸時代には豊作の年のみ踊ることを許されたため「豊年獅子踊り」と呼ばれるようになりました。

踊りは、花に酔い火に狂う三匹の獅子の躍動の中に、農作業の仕草が織り込まれ、牝獅子(めじし)が火の輪をくぐる「狂い獅子」の場面で最高潮に達します。
踊り子10人(獅子3人花笠7人)、横笛5人、唄手10人、まとい持ち1人で構成されており、笛と歌が流麗な調べを重ね、古典的な美と雅が表現されます。



「小松豊年獅子踊り会」「小松豊年獅子踊保存会」の地元の方々を中心として伝承し、この川西の郷土芸能の保護活動を行っています。
後継者の養成の観点から、川西町立川西中学校に「郷土芸能クラブ」が設立され、8月16日の発表に向けて、多数の生徒が踊りに参加しています。

今年は、川西町立川西中学校の生徒が計19名参加されています。
例年の平均参加人数は14~15名だそうです。
去年は12名だったそうですので、今年は人数が多い年だそうです。


学校があるため、夏休みの期間を利用して練習に励みます。
中学生の夏休み期間中の7月26日から8月14日頃まで毎日練習を行っています。
場所は、川西町中央公民館の駐車場です。

8月12日(月)の練習に伺いましたのでお伝えしたいと思います。















小松豊年獅子踊は、「前の庭」「中の庭」「末の庭」で構成されています。
中学生が踊るのは、「前の庭」という演目です。


「前の庭」は、

一、草入れ
二、長唄
三、牝獅子狂い
四、牡獅子狂い
五、遊び獅子
六、ひき庭

これらの6つの演目で構成されています。



















当日の小松豊年獅子踊を披露する人数は、獅子が3名、中立ちが1名、花笠が2名、早乙女が4名、計10人と決まっています。
今年は19名の参加生徒がおりますが、中学3年生を優先に、踊りに参加できる生徒を決めています。
当日の発表に参加しない生徒も、練習で踊りを習得し、翌年の発表に向けて練習を積み重ねています。


女の子2名は、顔を花笠で覆った「花笠」を担当します。
男の子4名は、「早乙女」を担当します。
「花笠」あるいは「早乙女」は、花笠をかぶった6名の男女が太鼓を打ち鳴らしますが、名前は違えど同じ役目があります。













小松豊年獅子踊の見せ場でもある「輪くぐり」の練習です。
「輪くぐり」は、牝獅子のみがくぐります。
大人の発表と違って、輪に火はつけませんが、
毎年1名が牝獅子を担当し、この「輪くぐり」に挑戦しているのです。


助走をつけて、勢いよく飛びます。
地面に直接手をついて着地をするので、痛みも伴うそうですが、躍動感が伝わってきます。







笛は、小松豊年獅子踊り会のみなさんが吹いてくださいます。
踊り会のみなさんも自身が中学生の頃は、今の中学生と同じように小松豊年獅子踊りに参加され、現在もこうしてご指導にあたっています。







中学生を代表して、男の子1人、女の子1人にインタビューさせて頂きました。
今年で参加3年目の中学3年生の男の子です。


―小松豊年獅子踊には、なぜ参加しようと思ったのですか?


幼い頃から「小松豊年獅子踊」を見ていて、もともと好きだったので自分も踊ってみたいと思い参加しました。


―小松豊年獅子踊では、何を担当されますか?


今年は牝獅子(めじし)を踊ります。
1年生のときは太鼓を担当しました。
小松豊年獅子踊は、最初は太鼓から始めることが多いのですが、獅子をやりたい人は獅子踊りの練習をしてやりたい役を練習します。
2年生のときは、3年生がたまたま少ない年だったので、「友獅子」を担当しました。


―小松豊年獅子踊に参加してみて、どのようなところが楽しいですか?


今年は、ずっと憧れていた牝獅子を踊らせて頂くので、精一杯頑張って踊って、踊っている瞬間は一番楽しいです。


―牝獅子に憧れていたとのことですが、どういったところに魅力を感じますか?


やはり、火の輪をくぐって飛ぶところがかっこいいです。
今年は、自分が輪をくぐるので、頑張りたいと思います。


―踊りを覚えるのは難しかったですか?大変でしたか?


獅子踊りは好きだったので、難しいというよりは楽しんで覚えたので、大変だと感じたことはなかったです。


―中学生のみなさんが参加することによって、どのような意味合いを持つと思いますか?


川西町の郷土芸能なので、若いときから獅子踊りに参加して、受け継いでいき、途絶えないように伝承していきたいと思います。


―踊り会のご指導者の方は、小松豊年獅子踊を守り続けてきたと思いますが、そちらを間近で感じる機会も多かったと思いますが、守っている方々の取り組みについてどう思われますか?


僕たちはまだ子どもですが、着物の準備や当日の会場の整備をしてくださったりして、本当にありがたいと思っています。





続いて、今年で参加3年目の中学3年生の女の子のインタビューです。


―小松豊年獅子踊には、なぜ参加しようと思ったのですか?


学校で募集チラシをいただいて、両親の勧めもあって参加しました。


―小松豊年獅子踊では、何を担当されますか?


1年生のときから3年間ずっと太鼓を担当しています。
女子は大体は太鼓が多いです。


―小松豊年獅子踊に参加してみて、どのようなところが楽しいですか?


みんなで練習や発表をやらせていただいて、揃ったときが一番楽しいです。


―踊りを覚えるのは大変でしたか?


入った当初は、なかなかすぐには覚えられず、3年生の先輩が声をかけてきてくださって、こうすれば上手になるよなど、教えていただきました。


―先輩に教えてもらったとのことですが、3年生になってみた今は、後輩に指導なさるときはありますか?


後輩ではないのですが、同学年で参加した年が違う子には、アドバイスしたりして、揃うように仲間同士で心がけています。


―中学生のみなさんが参加することによって、どのような意味があると思いますか?


知らない人たちが入ってくることによって、その人をよく知ることができるし、絆を深めることができるので、そういったところが良いところだと感じています。


―踊り会のご指導者の方は、小松豊年獅子踊を守り続けてきたと思いますが、そちらを間近で感じる機会も多かったと思いますが、守っている方々の取り組みについてどう思われますか?


私達はまだ未熟で、大人の人達は踊りも出来て、すごく衝撃を受けることが多いです。
大人の方をみていて、自分たちもこうなれたらいいなという憧れがあります。


―お忙しい練習の合間にお話を聞かせていただき、ありがとうございました。



川西町「小松豊年獅子踊」

日時:平成25年8月16日(金) 午前9時00分~

巡演順番:1.大光院 (午前9時00分より)
     2.大光院赤御堂(午前9時30分より)
     3.やまか(午前10時00分より)※中学生のみ披露
     4.繁昌軒(午前10時45分より)※中学生のみ披露
     5.錦屋(午前11時25分より)※中学生のみ披露
     6.ヤマザワ川西店(午前12時00分より)※中学生のみ披露
     7.中央公民館(夜19時00分より)

     ※1、2、7は大人のみが披露(火の輪をくぐります。)
     ※3、4、5、6は中学生だけで披露(輪くぐりがあります。)
     ※写真撮影は、大光院、大光院赤御堂前、諏訪神社がお勧めです。

主催:小松豊年獅子踊り会
   小松豊年獅子踊保存会



機会がございましたら、「小松豊年獅子踊」にぜひ足を運んでみてください。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。






○取材日    平成25年8月12日(月)

○取材協力   川西市立川西中学校の皆さん
        小松豊年獅子踊り会の皆さん
        川西町中央公民館







2013.08.13:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

中獅子踊り練習の取材その②【飯豊町】中地区(中公民館)

  • 中獅子踊り練習の取材その②【飯豊町】中地区(中公民館)

           



8月9日(金)にも飯豊町無形文化財「中獅子踊り」の練習に伺いました。
この日は、獅子頭(ししがしら)を被っての練習です。
※前回の練習(8月5日(月))につきましては、こちらをご覧ください。







飯豊町中地区の中公民館には張り紙も張り出され、いよいよ獅子踊りの日が近づいてきました。







この日からはいよいよ中獅子踊りに伝わる獅子頭が登場です。
この三匹の獅子が主役となります。


左から、友獅子、雌獅子、雄獅子です。
三匹とも似ていますが、大きさ・模様が違い、三様です。







中獅子踊りの歴史は、そもそもの起源は明確ではありませんが、今から600~700年前と言われています。
現在踊られている「中獅子踊り」はいつ頃から踊られていたかは、明治時代からはあったとされ、
こちらの道具からも明治三十三年に新調されておりますので、それ以前からも盛んに踊られていたことがわかります。







こちらは「中獅子踊り」で使用するまといです。
獅子の行列の先頭にまといを持ちます。
山形県の獅子踊りの特徴のひとつに、このまといがあげられますが、山形県以外の地域にはみられない特徴だそうです。


色男(いろおとこ)と称する者が一人、このまといを持ちます。
まといの上部に桜の花がつけてあるのがわかりますが、獅子が桜の花の咲く頃うたい踊って、自分の心を慰めたということと、日本の象徴を表しています。







女の子は、笛吹きです。
「中獅子踊り」の当初は、笛吹きも男の子が担っていたそうですが、近年の人出不足と存続の関係から、女の子も笛役に参加しています。
















こちらは獅子踊りの終盤の演目の「三角踊り(さんかくおどり)」です。
その名の通り、獅子が三角の形になって踊ります。










最後は「輪くぐり」の練習で締めくくります。
中獅子踊りの「輪くぐり」は以前に火をつけての「火の輪くぐり」を行った年もあったそうです。
獅子(獣)は、火が怖いですが、怖いものに立ち向かっていく姿勢、意思表明が伝わります。





中獅子踊り保存会のご指導者の方は、
「自身も幼い頃から中獅子踊りに参加し、大人になった現在も自分の子に受け継ぎ、また近所の子たちも地元から離れる人も多い中で、これだけ集まって、毎年中獅子踊りをできることは凄いことでもあり、嬉しいことです。」と言っておりました。


いよいよ8月14日に迫った飯豊町「中獅子踊り」
前の庭・後の庭の唄と踊りが続けられ、終わればみち笛により、その次、その次の庭へと移動し、豊作を祝う喜びに満ちた人々は、その後を追って、そして夏の夜は次第に更けていきます。


飯豊町「中獅子踊り」

日時:平成25年8月14日(水) 午後5時30分~

巡演順番:1.中北 公民館出発
     2.沖 公民館前(午後5時30分より)
     3.新田 自治館前(午後6時10分より)
     4.中西 公民館前(午後6時50分より)
     5.中北 公民館前(午後8時より)
     6.中 公民館前(午後8時40分より)


主催:中獅子踊り保存会


ぜひ機会がございましたら、「中獅子踊り」に足を運んでみてください。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。






○取材日    平成25年8月9日(金)

○取材ご協力  中獅子踊り保存会の皆さん
        中 公民館(飯豊町)







2013.08.12:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

中獅子踊り練習の取材その①【飯豊町】中地区(中公民館)

  • 中獅子踊り練習の取材その①【飯豊町】中地区(中公民館)

           


8月14日に開催される飯豊町の「中獅子踊り」の練習の取材に行ってきました。
「中獅子踊り」は、飯豊町無形文化財に指定されています。


飯豊町の「中獅子踊り」は、毎年お盆に開催され、この秋の豊作と健康を願いながら踊られています。
おはやし、長唄衆の唄に合わせて雌獅子(おじし)、雄獅子(めじし)、友獅子(ともじし)、三匹による花吸い(はなすい)の踊り、三角踊り、そしてメインは輪くぐりです。


◆中獅子踊りの由来◆
古代、まだ日本に稲作が伝わっていなかった時代に神々は一匹のキツネに唐・天竺より稲穂を持ち帰るよう命じました。
しかし、唐・天竺では稲は国外に持ち出すことを禁じていたため、キツネはこっそり稲穂をくわえて逃げ帰り、稲穂を隠しました。
唐・天竺では三匹の獅子に追いかけさせましたが、キツネに追いつけず、稲穂も取り返せず、国に帰ることも出来ず、とうとうその地に住み着いてしまいました。
哀れな獅子たちは、自分を慰めてくれる人もなかったので、毎年桜の花が咲く頃、故郷を思い出しながら踊りによって我が身を慰めたと言われています。
それを見た人々が獅子を慰めるために、踊りに加わり、毎年多くなって相当な人数になったそうです。
これが現在の中獅子踊りの原型と言われています。



この伝統ある獅子踊りを中獅子踊り保存会の方々が現在まで守り続けてきました。
現在の会員は、大人約23名、子ども約18名、合計で約41名がいらっしゃいます。
大人が子どもに指導をし、子ども達がメインで獅子踊りを披露しています。

その昔には、飯豊町内に数々の獅子踊りの組織がありましたが、今では中獅子踊り保存会だけとなっています。
ぜひ、そのような背景を踏まえてご覧頂ければと思います。


また、置賜地域の各地には個性豊かな獅子踊りが伝わっています。
宝記事でもご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
獅子踊りその1 ■獅子踊りその2







練習場所は飯豊町中地区の中公民館の駐車場です。
8月14日の獅子踊り披露の日まで、8月中の平日に毎日2時間程度行っています。


今年の「中獅子踊り」は、小学校1年生から高校2年生まで約18名が参加されます。
子ども達が担当する踊り子の役は、5つあります。


・「獅子(雌獅子、雄獅子、友獅子)」→雄獅子を中心にして、雌獅子と友獅子が守っている形で、服装は雄獅子と友獅子は同じであるが、顔面は三様である。


・「仲立ち(なかだち)」→花笠の腹太鼓を持っていて太鼓を打ち鳴らし、盛んに左右に行ったり来たり、太鼓を打ちながら動き回る。


・「花吸い(はなすい)」→顔を花笠で覆って女装した数人が獅子の後方にいる。


・「笛吹」→笛役は女の子が担当。獅子踊りの役は男の子のみというしきたりから、笛吹きとなっています。







雄獅子(おじし)、雌獅子(めじし)、友獅子(ともじし)の踊りの練習風景です。

獅子役は男の子で、なるべく年齢・身長が低ければ低いほど良いとされています。
中獅子踊りに参加する子は、最初は獅子役から始めます。







獅子踊りは、「前唄(まえうた)」「長唄(ながうた)」と呼ばれる歌を歌いながら踊ります。
中獅子踊り保存会のご指導者が歌を歌い、それに合わせて子ども達が練習を行います。










「仲立ち」→太鼓役の男の子は、獅子役を経験され、その後太鼓を担当されるそうです。
太鼓役は、高学年がふさわしいとされています。













最後の練習は、中獅子踊りのメインとなる「輪くぐり」です。
「輪くぐり」は雌獅子狂いとも呼ばれ、輪の中をくぐります。
なかなか難しいこの技。遠くから勢いよく飛び込みます。







小学3年生から獅子踊りに参加され、今年で6年目となる雄獅子担当の中学2年生の男子生徒にお話を聞いたところ、
「毎日練習をして、仲間と一緒の時間を過ごせることが楽しい、これからも参加したい」と語ってくださいました。
参加当初は、中獅子踊り保存会の方の一対一のご指導により練習をなさったそうですが、簡単に獅子踊りを覚えたといい、とても立派だと思います。


現代社会における生活様式の変化や少子高齢化による担い手不足など、獅子踊り保存会の存続が難しくなってきたといわれています。
中獅子踊り保存会 会長の舟山新二郎さんは、
「中獅子踊りも平成19年に存続できるか、できないかの危機が訪れた。中地区の子ども達の参加者を募り、なんとか存続できることができた。
現在は、約18名の子ども達の参加があるので、人数も多く毎年獅子踊りができている。この先も続けていきたい」と語ってくださいました。


次回は8月9日(金)の練習に伺いたいと思います。
いよいよ獅子頭を被っての練習となるそうですので、そちらの様子もお伝えしたいと思います。



飯豊町「中獅子踊り」

日時:平成25年8月14日(水) 午後5時30分~

巡演順番:1.中北 公民館出発
     2.沖 公民館前(午後5時30分より)
     3.新田 自治館前(午後6時10分より)
     4.中西 公民館前(午後6時50分より)
     5.中北 公民館前(午後8時より)
     6.中 公民館前(午後8時40分より)


主催:中獅子踊り保存会






○取材日    平成25年8月5日(月)

○取材ご協力  中獅子踊り保存会 (元締め 舟山新二郎さん)
        中 公民館(飯豊町)









2013.08.06:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

こども狂言クラブお稽古の取材【米沢市】伝国の杜

  • こども狂言クラブお稽古の取材【米沢市】伝国の杜

           


7月28日(日)は、伝国の杜こども狂言クラブのお稽古日でした。
今年度、和泉流狂言師の山下浩一郎先生を迎えての稽古は2回目となります。


【伝国の杜こども狂言クラブ お稽古の取り組み】


Ⅰ 基本けいこ 7・8・9月
  *始めと終わりの挨拶
  *基本の発生
  *扇や足袋の扱いと着物の知識
  *台本を読み進めて覚える期間 ←今回のお稽古はこちらになります。
  *稽古記録の活用


Ⅱ 集中けいこ 10・11月
  *基本の所作
  *セリフや謡の完成
  *型つけ
  *着物の着付け


Ⅲ 完成けいこ 12・1・2月
  *舞・型を覚える
  *相手との合せけいこ
  *着物・道具の片付け


Ⅳ 成果発表 3月
  *発表する・見る
  *稽古の成果を発表会で発揮する







この日のお稽古は14時から18時30分まで行いました。
演目ごとにクラス編成を行い、クラス別に山下先生のご指導のもと練習となります。
稽古に集中できるよう2時間を原則にクラス編成を心がけているとのことでした。
この日は山下先生を迎え2回目の稽古なので、基本的には小舞の謡と狂言のセリフ読みの練習です。


おけいこ演目


・狂言「鐘の音」
・狂言「盆山」
・小舞「七つ子」
・小舞「宇治の晒」
・狂言「仏師」














小舞「七つ子」謡の練習
山下先生がお手本となる謡をうたった後に、発音や音程などを確認しながら、練習します。
動画も併せてご覧ください。









小舞「宇治の晒」1対1でのお稽古です。
山下先生は、「とっても上手になったね!すごいね!」と褒めていらっしゃいました。
元気な姿がとっても可愛いです。








狂言「仏師」のセリフ読み
長く、難しいセリフを、山下先生のお手本の後に、確認しながら声に出して覚えます。









こども狂言クラブから代表して、
今年の演目で、狂言「鐘の音」という非常にレベルの高い狂言を演じる、高校2年生の深田さんにお話を聞きました。


― 狂言「鐘の音」の稽古は、今回が初なのですが、ほとんどが一人舞台で、題名にあるように、鐘の音を自分で声を出して表現しなければならないというのと、
自分で謡をうたいながら、同時に舞わなければいけないので、そういった部分では、かなりテクニックがいる演目なのですが、挑戦していきたいです。

また、今日の稽古では、稽古始めから終わりまで、全部の練習に参加したので、体力的な面でも大変な部分もありましたが、やっていくうちに狂言の面白さがわかってくるので良かったです。



深田さんは狂言クラブに加入して以来、今まで数々の狂言をこなされてきましたが、毎年新しい狂言に挑戦しています。
この日は、稽古始まりから終わりまで参加されており、積極的に練習に励んでおりました。
こども狂言クラブの活動は、学校との両立もあるので、忙しい合間のなかでの練習となると思いますが、今後の活躍に期待しています。



次のこども狂言クラブの発表会は、9月8日(日)「能楽の祭典」です。
伝国の杜・置賜文化ホール(米沢市)で開催されますので楽しみです。


◆発表会予定


2013年9月8日(日)  能楽の祭典
2013年11月17日(日) 三人の会 酒田市文化センター
2013年11月30日(土) 置賜こども芸術祭 飯豊あーす
2013年12月15日(土) 金剛流舞納会
2014年2月8日(土)  雪に舞う会
2014年3月21日(祝)  春休み発表会







さぁ、今週はいよいよ8月に突入です。
8月は、川西町の「小松豊年獅子踊り」や飯豊町の「中獅子踊り」、白鷹町の「八乙女の舞」など伝統あるお祭りが目白押しですので、こちらも練習の様子など伺わねばと思っておりますよ。
質問事項もまとめなければ・・。

いつもその伝統のルーツについて細かく聞いてしまう癖があるのですが、
意外と最初から知っている方は少ないんですよね。
伝承から伝承で何十年もずっと守られているものなんだなと感じます。
伝統って、地域のお祭りなんかもそうですが、当たり前のように思っていても、昔から続いているっていうのは、素晴らしいことなんだと思います。

特にお子さんなんかは、その地域で参加するのを嫌だなぁと思う方もいらっしゃると思います。
けれど、大人になったとき、決して無駄ではなく、良い思い出として必ず残るものなので、ぜひ参加して欲しいなぁと思います。
子どもの頃に感じる伝統(お祭りなど)と、大人になって改めて見てみる伝統は感じ方が違ったのでそう思いました。
その地域にしかない伝統ってすごいことだと思いませんか?

練習でお忙しい中、ご協力してくださる関係者のみなさんにはいつも感謝です。


置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。







2013.07.31:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

民話語り部養成講座の取材【南陽市】夕鶴の里・語り部の館

  • 民話語り部養成講座の取材【南陽市】夕鶴の里・語り部の館

           


7月20日(土)に子ども伝統芸能の取材で、南陽市の夕鶴の里の「語り部養成講座」に行ってきました。
置賜地方全般に伝わる民話による昔語り。
なかでも、南陽市は代表的な民話「鶴の恩返し(鶴布山珍蔵寺)」の発祥の地でもあるので、民話語りが盛んに行われているのです。
子ども達が昔ながらの民話を語ることは珍しく思いますが、南陽市には民話が受け継がれており、大人も子どもも親しんでいることがわかります。


置賜の民話については、宝記事でもご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
民話その1 ■民話その2


夕鶴の里 語り部養成講座「公開講座」

日時:平成25年7月30日(土) 午後1:30開演
会場:夕鶴の里 語り部ホール

主催:夕鶴の里、南陽市教育委員会


◆夕鶴の里語り部養成講座◆とは

夕鶴の里では、夕鶴の里自主事業として、「語り部養成講座」を開講しています。
民話会ゆうづるの語り部のみなさんが、心をやさしく包む民話の温かさをぜひ多くの人に感じてもらいたいと、ご指導なさっています。

平成11年から始まり今年で第14回目を迎えます。
講座は6月~9月のあいだ、全8回行われています。
今年度は小学生から大人まで9名が受講しており、小学生5名、大人4名の参加です。
また、南陽市内の小学校などへ出向いて民話を教える「出前講座」も行っています。





今回取材に伺ったのは、語り部養成講座の第4回目の活動。
これまでの4回の活動を通して、練習の成果を披露する「中間発表会」でした。
小学生5名、大人4名、民話会ゆうづる3名による発表がありました。


語り部養成講座では、全8回の講座のうち、発表会を挟みながら、民話語りを身につけます。
やはり人前で発表することが一番ですので、大勢の前で披露するという、そういった練習も必要となってくるのですね。
こちらでは、主に小学生の語り発表の様子をお伝えいたします。










観客が見守る中、中間発表会は行われました。
中間発表会なので、途中でわからなくなったらテキストを見てもOKです。







「牛蒡と人参と大根」
赤湯小学校6年生の女の子による発表。

牛蒡(ごぼう)と人参と大根がなぜ、今の色なのかよくわかる昔話です。
元々は、人参も大根も牛蒡と同じ茶色だったそうですが・・・。







「おぶさろの化け物」
沖郷小学校1年生の男の子による発表。
お姉さんが、民話語り部を習っているのをみて、自分もやってみたいと一緒に参加したのだそうです。素晴らしいですね。







「白竜湖の琴の音」
宮内小学校3年生の女の子による発表。

南陽市の白竜湖に伝わる昔話。
今でも湖には白い竜が住んでいると伝えられている昔話です。
なぜ白竜湖と呼ばれるようになったのか、今でも霧雨の降る朝には、湖の底から琴の音が聞こえてくるそうですよ。







「クモとハチ」
沖郷小学校4年生の女の子による発表。
弟さんと一緒の参加です。

銭がいっぱい入っている小袋を拾ったクモとハチが最後にどうなったか、言い争いをしていると、そこにアリがやってきて・・・。
欲張りはしてはいけないとよくわかるお話です。







「まんじゅうこわい」
赤湯小学校6年生による発表。
今年で3年目だそうです。

落語の演目にもあるお話です。







司会は、民話会ゆうづるの多勢久美子さんです。
子ども達の発表が終わる毎に、「どうでしたか?」と優しく声をかけて感想をお聞きしたり、「上手だったよ」と褒めていらっしゃる様子が印象的でした。
優しく教えてくださるご指導者の方々がいるからこそ、子ども達も楽しく民話語りをやっていけるのだと思います。







みんな違った民話を語り、語りの口調もスピードもみんなそれぞれ違うので、オンリーワンのそれぞれの語りの良さがありました。


民話は、置賜弁の方言が豊富なので、山形県外の人が聞いたら何と言っているかわからないかもしれないですね。
地元の人でも普段あまり使わないような方言が入っていたりします。
方言が民話の良さだと思うので、聞いていて本当に楽しかったです。


ご指導者の民話会ゆうづるの島貫貞子さんにお話を伺ったところ、
発表する民話の題材は、自分で選んで決めるそうです。
まずは、その民話がどんな内容なのか、しっかり理解することが大事で、頭に入れながら、音読すると上手に語れるようになってくるそうです。
また、今回のような発表の場で、声に出して練習することにより、自分の癖を知ることが出来るので、次回のために改善することも出来ます。


同じ民話でもみんな違うのが良い。
上手に話さなくても、それがその人によっての民話の味だから、オンリーワンなんだ。
と話してくださいました。



         語り部養成講座受講生のみなさんと民話会ゆうづるのみなさん


最後に、一番印象に残ったことをひとつ。


夕鶴の里の近くにある珍蔵寺というお寺があるのですが、このお寺は小学校の通学路にあり、学校に行く途中に毎日必ず小学生が通る道です。
子ども達が成長し大人になっても、地元には民話の原点でもある「鶴の恩返し」のお寺があるということを絶対に忘れないで生きて欲しい。


14年目を迎える現在も、毎年必ず子ども達に教えているとおっしゃってくださいました。
子ども達が正しく育っていくのも民話を習っているからなのだと、語ってくださったのも印象的でした。


ご指導者の方々や、子ども達には、その他にもインタビューさせて頂き、沢山お話を伺ってきたので、またご紹介できればと思います。


置賜文化フォーラム編集員文化リスがお送りしました。






○取材日    平成25年7月20日(土)

○取材ご協力  民話会ゆうづる(南陽市)
        夕鶴の里 語り部養成講座受講生のみなさん
        夕鶴の里・語り部の館(南陽市)








2013.07.25:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

文化庁「平成26年度新進芸術家海外研修制度」募集のお知らせ

  • 文化庁「平成26年度新進芸術家海外研修制度」募集のお知らせ


文化庁が募集する「平成26年度新進芸術家海外研修制度」についてお知らせいたします。

文化庁が「平成26年度新進芸術家海外研修制度」への応募者を募集しています。

この制度は、各分野の若手芸術家等に、海外で実践的な研修に従事する機会を
提供するため、研修する際の渡航費や滞在費を支援するものだそうです。

募集対象分野は、美術、音楽、舞踏、演劇、舞台美術等、映画、メディア芸術です。
応募者自らが研修計画を作成して応募し、書類選考、面接などを受けて、合格者が決定されるそうです。

その他にも条件がいろいろあるようですが、貴重な機会ですので、ご検討してみてはいかがでしょうか。

詳しくは文化庁の募集案内をご覧ください。
募集案内掲載URL(文化庁ホームページ)
http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/05kenshu/h26_shinshin.html
2013.07.22:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

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