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【ご報告】置賜こども芸術祭2013 沖小歌舞伎①【伝統芸能部門】

  • 【ご報告】置賜こども芸術祭2013 沖小歌舞伎①【伝統芸能部門】

           


置賜こども芸術祭2013(舞台芸術部門)のご報告パート3です。
平成25年11月30日(土)に、飯豊町町民総合センター「あ~す」で『置賜こども芸術祭2013』が開催されました。

第2部の伝統芸能部門のトリを飾っていただいた沖小歌舞伎をお伝えします。

置賜こども芸術祭2013~第1部~【合唱部門】
置賜こども芸術祭2013~第2部~【伝統芸能部門】の様子はこちらをご覧ください。


第2部【伝統芸能部門】


■小国町立沖庭小学校 沖小歌舞伎

(1)白浪五人男~稲瀬川勢揃いの場~
(2)絵本太功記九段目~山崎合戦の場~






最後のプログラム、トリを飾っていただいたのは、
小国町立沖庭小学校の沖小歌舞伎の皆さんです。

沖小歌舞伎は、以前に置賜文化フォーラムでも取材させて頂き、掲載しております。
「沖小歌舞伎」最終公演①(白浪五人男編)
「沖小歌舞伎」最終公演②(絵本太功記 九段目編)
「沖小歌舞伎」最終公演③公演を終えて
こちらも併せてご参照ください。

沖庭小学校は、今年度限りで閉校することとなっており、沖庭小学校で26年間受け継がれてきた沖小歌舞伎も、この日の置賜こども芸術祭の公演をもって、最終公演となりました。
沖庭小学校の全校生徒、1年生から6年生まで22名全員が出演します。


(1)白浪五人男~稲瀬川勢揃いの場~




弁天小僧菊之助(小学5年生)





忠信利平(小学4年生)





赤星十三郎(小学4年生)





日本駄右衛門(小学4年生)





南郷力丸(小学4年生)



















五人のあでやかな衣装と歌舞伎独特の美しいセリフ、錦絵のような見た目の美しさも一つの見所です。



















一人一人が見得を切る場面。
七五調のリズミカルな調子で一人一人名乗りを上げ、見得を切ります。
ここがこの演目の最高の見せ場です。

大声で名乗りを上げる児童は美しく、勇ましく、それぞれの役柄を堂々と演じ切りました。









ときに、大人の色気を感じさせます。









お化粧や着付けには、2時間ほどかかります。
大きく見得を切る姿は、大人顔負けの演技です。























◆お化粧風景

化粧や着付けは、保護者の役目です。
保護者を対象にこれまで、化粧や着付けの講習会も開いてきました。





教頭先生もお化粧を手伝います。

























準備の際、「これが本当に最後の化粧です。最後にふさわしいような化粧をお願いします。」と声が聞こえてきました。

保護者が子に、歌舞伎の化粧を施すのは、本当にこれが最後なのです。
最後の化粧は保護者にとっても、様々な思いが詰まった光景になったことでしょう。




演じている児童たちは舞台上ではとても大きく見え、堂々とした演技に本当に小学生が演じているものかと思わせるものでした。
歌舞伎役者に変貌した舞台上と普段の学校生活、そのスイッチの切り換えに感心させられ、この沖小歌舞伎が教育の一環として、これまでいかに児童たちを育て上げてきたか、考えさせられる観劇でした。


次回の記事では、2演目目の「絵本太功記」をご紹介します。
緊張感の中にも、ひょうきんな和尚(おしょう)と百姓たちの滑稽な演技がとてもいい味を出していました。
会場は多くの笑いと拍手に包まれており、最後のプログラムにふさわしい素晴らしい演技でした。

引き続き、置賜文化フォーラムをご覧くださいますようお願い申し上げます。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○関連記事  :  ・置賜こども芸術祭2012
           2012年11月10日(土) 高畠町文化ホールまほら
          ・置賜こども芸術祭2011(前編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館
          ・置賜こども芸術祭2011(後編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館







2013.12.16:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

【ご報告】置賜こども芸術祭2013~第2部~【伝統芸能部門】

  • 【ご報告】置賜こども芸術祭2013~第2部~【伝統芸能部門】

           


置賜こども芸術祭2013(舞台芸術部門)のご報告パート2です。
平成25年11月30日(土)に 飯豊町町民総合センター「あ~す」で『置賜こども芸術祭2013』が開催されました。

置賜こども芸術祭2013~第1部~【合唱部門】の様子はこちらをご覧ください。

第2部の伝統芸能部門の前編をお伝えします。


・長井小学校獅子舞クラブ【黒獅子舞】(長井市)
・伝国の杜こども狂言クラブ【狂言・小舞】(米沢市)
・八乙女の舞【巫女舞】(白鷹町)




第2部【伝統芸能部門】


■長井市立長井小学校獅子舞クラブ 黒獅子舞

置賜こども芸術祭、第2部のスタートは、長井市立長井小学校の獅子舞クラブの皆さんの登場です。
長井市をはじめとする西置賜地域で受け継がれている黒獅子舞を、こども達だけで舞うものです。
毎月5月の「ながい黒獅子まつり」では、大人たちと同じ舞台で舞を披露しているそうです。
それでは勇壮な舞を、写真でご紹介します。





長井小学校の獅子舞クラブは、平成15年の国民文化祭獅子舞フェスティバルに参加したことがきっかけになって、活動が始まりました。そして、毎年5月に行われている「ながい黒獅子まつり」において、舞を披露しています。

黒獅子舞は、西置賜のそれぞれの地区にある神社で、五穀豊穣、家内安全などを願って行われています。黒獅子舞は、一つとして同じ舞はなく、それぞれの神社ごとに舞に個性があります。

黒獅子舞のルーツは、長井総宮神社に伝わる「卯の花姫伝説」に由来するといわれています。
卯の花姫が最上川の支流である野川の深渕に身を投げ、龍の化身となったという言い伝えがあります。
人々は、その龍が、水の神になり、水田に恵みを与えるという伝説を獅子舞によって伝えてきました。

長井小学校の黒獅子舞は、ある特定の神社の舞ではなく、学校支援ボランティアの渋谷正斗先生と一緒につくりあげたオリジナルです。
さらに、こども達だけの黒獅子舞は、どの神社でも見ることができません。
こども達が舞う黒獅子舞をご覧いただき、西置賜地域の人々が受け継いできた伝統文化に浸っていただければと思います。





客席の通路から黒獅子の入場です。





客席に向かって御信心。









笛・太鼓組が客席からステージへ向かいます。





客席の後方まで届くような、素晴らしい口上から「黒獅子舞」が始まります。









笛の音色が黒獅子祭りの臨場感を思い出させます。







太鼓の音も会場中に響き渡ります。











長井の獅子舞には警護が必ずつきます。

獅子が舞っている最中に時々機嫌が悪くなったりすると、暴走してしまい手がつけられなくなったりします。そのような時は力自慢の警護が獅子をなだめすかしたり、時には獅子と格闘しねじ伏せたりします。












警護に先導され獅子は舞いますが、格闘しながら獅子をねじ伏せる場面は、圧倒的です。





獅子頭の形は、鼻が出っぱり目玉は飛び出し、やぶにらみで額に宝珠を戴き、上顎の牙が外にはみ出し、顔を覆い隠す長いたてがみと鼻ひげが特長で、とてもいかめしい形をしています。

子どもは獅子が近づいてくると泣き出すほどで、子供の頃はいたずらをすると「お獅子様来るぞ!」と驚かされたものです。













地域で受け継がれているほかの黒獅子舞と同じではなく、お師匠様と一緒に作り上げた、長井小学校のオリジナルだそうです。
黒獅子舞をご覧になりたい方は、来年5月の「ながい黒獅子まつり」で舞いますので、ぜひ足をお運びください。


■伝国の杜こども狂言クラブ

狂言「盆山(ぼんさん)」
小舞「兎(うさぎ)」
小舞「宇治の晒(うじのさらし)」


お馴染み、伝国の杜こども狂言クラブの皆さんです。
置賜文化フォーラムでは、1年間の活動を密着取材させて頂いております。

こども狂言クラブは、親しみやすい狂言を通して能楽や和装、武家文化や古来から残る日本語などの伝統文化を学んでいます。
発声や道具の扱い、足袋や着物の知識を身につけるため小舞を習い、続いてセリフ劇の狂言に挑戦しています。

◆小舞「兎(うさぎ)」






◆小舞「宇治の晒(うじのさらし)











◆狂言「盆山(ぼんさん)」






盆山というのは、お盆の上に石や草木で風景を作り出したもので、今でいう盆栽のようなものだったそうです。
その盆山を盗みに入った男が、持ち主に見つかってしまいます。
ばれないようにと犬や猿の鳴きまねをするのですが・・・。











伝国の杜こども狂言クラブの皆さんは、米沢市にある伝国の杜置賜文化ホールで行われる「山形県能楽の祭典」に出演したり、学校に出張して狂言を披露するなど活躍しています。

置賜地域の伝統芸能である能や狂言を伝承していくため、これからもどんどん活動の場を広げていって欲しいと思います。





■八乙女の舞「豊栄の舞」

続いては、白鷹町の「八乙女の舞」の皆さんの登場です。
荒砥小学校の5年生5名、6年生2名の7人の舞姫たちによう「豊栄の舞」の披露です。

以前にも例大祭での八乙女の舞を取材しております。
八乙女の舞① 八乙女の舞② こちらも併せてご参照ください。

美しい舞をご紹介します。





























八乙女の舞は、平成2年荒砥町誕生百周年記念事業のひとつとして発祥の故事に基づき、装いを新たに復活させたもので、現在、荒砥地区公民館事業の一環として活動をしています。

舞は、神社本庁において制定された『豊栄の舞』という巫女舞を披露しています。
舞姫たちは、毎年募集をして、今年は荒砥小の女子児童5年生5名、6年生2名の7人で構成されています。

主に8月15日・16日八乙女八幡神社例大祭、荒砥小学校の地域文化発表会で舞を披露しています。

今年はみんなで力を合わせて綺麗な舞を発表することが出来て、とても誇らしく思ったそうです。
伝統文化の八乙女の舞をこれからも、引き継いでいって欲しいと思います。





さて、ここまで伝統芸能部門の3団体をご紹介しました。
ここまで大盛況のまま、熱演が続きました。


とうとう最後のプログラムになりました。
トリを飾っていただいたのは、小国町立沖庭小学校の沖小歌舞伎です。

最後は次回の記事でたっぷりとご紹介いたします。

引き続き、置賜文化フォーラムをご覧くださいますようお願い申し上げます。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○関連記事  :  ・置賜こども芸術祭2012
           2012年11月10日(土) 高畠町文化ホールまほら
          ・置賜こども芸術祭2011(前編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館
          ・置賜こども芸術祭2011(後編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館







2013.12.16:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

【ご報告】置賜こども芸術祭2013~第1部~【合唱部門】

  • 【ご報告】置賜こども芸術祭2013~第1部~【合唱部門】

           


置賜こども芸術祭2013(舞台芸術部門)のご報告です。
平成25年11月30日(土)に 飯豊町町民総合センター「あ~す」で『置賜こども芸術祭2013』が開催されました。

こども芸術祭の開催にあたって、NHK山形の情報番組「やまモリ!」に出演させて頂いたり、
ラジオでの告知、また各新聞社(山形新聞、毎日新聞、米澤新聞)などあらゆるメディアに掲載して頂きました。ありがとうございました。

そんな甲斐あってか?当日は大変な賑わいを見せ、多くの方々にお越しいただきました。
この場をお借りして感謝申し上げます。


■日  時  :  平成25年11月30日(土)
          開場13:00 開演13:30

■会  場  :  飯豊町町民総合センター「あ~す」

■出演団体  :  ・屋代小学校ひろすけ合唱団【合唱】(高畠町)
          ・南陽市少年少女合唱団コールエンジェル【合唱】(南陽市)
          ・飯豊町少年少女合唱団ミルキーウェイ【合唱】(飯豊町)
          ・長井小学校獅子舞クラブ【黒獅子舞】(長井市)
          ・伝国の杜こども狂言クラブ【狂言・小舞】(米沢市)
          ・八乙女の舞【巫女舞】(白鷹町)
          ・沖庭小学校【沖小歌舞伎】(小国町)

■入 場 料   :  無料

■主  催  :  置賜文化フォーラム




第1部(合唱部門)と第2部(伝統芸能部門)に分かれての公演でした。
写真を沢山撮りました。その数、3638枚ほど・・。

何回かに分けてご報告いたします。
まずは第1弾として、合唱部門をご報告いたします。


第1部【合唱部門】


■高畠町立屋代小学校「ひろすけ合唱団」

合唱 (1)星がとんだ
   (2)風になる
   (3)オトナになるって




オープニングを飾っていただいたのは、高畠町立屋代小学校ひろすけ合唱団のみなさんです。
はまだひろすけ先生が作詞さえた合唱3曲おご披露くださいました。

総勢24名による息のあった合唱です。









「ひろすけ合唱団」は、今年で結成10周年を迎えました。
はまだひろすけ先生の母校、屋代小学校では、歌が好きな仲間が集まり、ひろすけ先生作詞の曲をはじめ、日々楽しく歌っています。

毎年、高畠町民音楽祭や地区の文化祭などで元気な歌声を発表しているそうです。今年もたくさんのステージで合唱を発表してきました。











自然や生き物に向けるひろすけ先生の優しいまなざしを、合唱を通してお届けできるように、心を込めて歌いました。
このメンバーでの発表は今日が最後ということですが、先輩から後輩へ歌声をつないでいっていただきたいと思います。





■南陽市少年少女合唱団コールエンジェル

合唱 (1)まっかな秋
   (2)ちいさい秋みつけた
   (3)トム・ピリビ
   (4)世界中のこどもたちが





続いて、南陽市の少年少女合唱団「コールエンジェル」のみなさんです。

とにかく「歌が大好き!」という皆さん。
合唱4曲を披露してくださいました。

元気いっぱい心を込めて歌います。









現在、小学校2年生から中学2年生までの総勢14名で活動していらっしゃいます。
練習日は火曜日19:00~20:00赤湯のえくぼプラザで行っています。

みんな歌が大好きで、ひとりひとりが表情豊かにのびのびと、心に届く歌声を目指して頑張っています。









元気に心を込めての演奏となりました。
菊の音楽祭をはじめとして、さまざまな演奏会に出演しているそうですが、これからもその歌声をいろんなところで響かせていただきたいと思います。





■飯豊町少年少女合唱団ミルキーウェイ

合唱 (1)カリブ夢の旅
   (2)5/8
   (3)海 あそぶ
     海のこころ
   (4)ミスターモーニング
   (5)きょうりゅうとチャチャチャ
   (6)See You





続いて、地元、飯豊町の飯豊町少年少女合唱団「ミルキーウェイ」の登場です。

ミルキーウェイのみなさんは、会場の飯豊町町民総合センター「あ~す」を活動拠点として、飯豊町と長井市の子ども達が仲良く活動しています。

合唱7曲を披露していただきました。
日頃から練習しているこの会場で、のびのびと歌います。









今年は結成3年目ということですが、昨年度は初めてのコンサートも開いたそうです。
ご準備など大変だったようですが、とても充実した経験になったということでした。

今年は県の合唱祭への参加や地域のイベント、福祉施設へ慰問演奏に積極的に取り組んだそうです。











歌だけでなく、楽器の演奏も交えてくださいました。











来年の秋にもまたコンサートを開く予定とのことです。
これからも練習を重ねていって、素晴らしい歌声を披露していただきたいと思います。





第1部の発表が終わりました。
次回の記事では、第2部(伝統芸能部門)をお届けする予定です。

引き続き、置賜文化フォーラムをご覧くださいますようお願い申し上げます。


置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○関連記事  :  ・置賜こども芸術祭2012
           2012年11月10日(土) 高畠町文化ホールまほら
          ・置賜こども芸術祭2011(前編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館
          ・置賜こども芸術祭2011(後編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館




2013.12.15:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

こども狂言クラブ稽古納め【米沢市】平成25年12月8日(日)

  • こども狂言クラブ稽古納め【米沢市】平成25年12月8日(日)

           


伝国の杜こども狂言クラブは、平成25年12月8日(日)に稽古納めを行いました。

和泉流狂言師山下浩一郎先生のご指導のもと、今年度習っている演目のお稽古の成果を測るため、能舞台で披露しながらのお稽古となりました。
来年の稽古始めまでしっかりと4月からの成果をおさらいしました。

稽古納めという言葉から、2013年の活動も終わるのだなぁと時の流れの速さをしみじみと感じます。
4月から私も一緒にこども狂言クラブの活動に密着させて頂き、狂言の面白さとともに、子どもたちがお稽古に取り組む熱い志に毎回感銘を受けています。


◆お稽古演目

1.狂言「盆山」  11時40分~12時20分
2.小舞「七つ子」 13時10分~14時00分
3.小舞「風車」  14時10分~15時10分
4.狂言「仏師」  15時20分~16時20分
5.狂言「鐘の音」 16時30分~17時30分




伝国の杜能舞台でのお稽古の様子
伝国の杜能舞台前には、ギャラリーも増え、こども狂言クラブのお稽古風景を鑑賞する観客も多く見受けられました。
こども達のセリフや謡は、伝国の杜内に響き渡ります。

なかには、小さい子も多く立ち止まり、感心を示しているようでした。
このようなことをきっかけに、ぜひ狂言クラブに入会して欲しいなぁと思います。



狂言「盆山(ぼんさん)」

扇をのこぎりに見立てて切る場面
 
ズカズカズカズカ・・・

型は先生を真似て
 
刀の持ち方にも気を使います。

狂言「盆山」のワンシーン
 
刀の持ち方も学ぶ



最初から最後まで通してお稽古をしました。

冒頭のストーリーの背景を説明する重要なセリフが並ぶシーンも、
セリフが詰まることなく、大きくハキハキと発声しており、
前回のお稽古からの上達が感じられます。


小舞「七つ子(ななつご)」

舞を合同で復習
 
次に一人ずつ舞う

型は先生を真似て
 
扇の持ち方にも気を使います。

七つ子の後半の舞の型
 
先生が細かくご指導

次にペアで舞をおさらい
 
ペアの舞はきれいです。

しっかりと舞います。
 
七つ子の謡も良い音色です。



はじめは、全員で七つ子を舞いました。
次に一人ずつご指導いただき、細かい型を確認していきました。

最後はペアで舞いました。
「な~なつにな~るこが~」の謡い出しから始まり、
能舞台に響き渡っていました。


狂言「仏師(ぶっし)」

狂言「仏師」のお稽古
 
この日からお面をつけます。

滑稽ですが、真剣です。
 
お面をシテに見せないように後ろに隠す場面

お面で視野が隠れるので型も慎重に
 
滑稽な場面が面白いです。

真剣な場面です。
 
仏師の完成が楽しみです。

ポーズは何でもOKなのです。
 
最後はお面を取られます。



ペアでセリフ合わせと動きの指導を受けました。
待っている間も自分の稽古に役立つよう、仲間のお稽古を真剣に見学します。

お面が登場し、後半は切り返しや素早い動作が続きます。
狂言「仏師」は、笑いを誘う内容で、なかなか面白くなりそうです。
完成が楽しみです。


小舞「風車(かざぐるま)」

風車は非常に激しい舞です。
 
弓を引く型は美しさがあります。

舞を揃えるとかっこいいです。
 
ビシッと決めます。

山下先生が間に入ると決まります。
 
一生懸命お稽古に励んでいました。

一人舞台なので難易度は高いです。
 
一生懸命お稽古に励んでいました。



風車の舞は、速く激しい型が続きます。
特に右急回りは、体を一回転させ、着地させるので、型の完成も難しいです。

非常に見ごたえのあり、男子が舞うにふさわしいかっこいい舞なので、完成が楽しみでなりません。


狂言「鐘の音(かねのね)」

山下先生が見守る中、始まります。
 
登場の際も細かく指導

セリフを言いながらの型
 
同じ場面を何度もお稽古

完成度は高いです。
 
美しい型です。



最後は「鐘の音」です。

ひとりで通しでお稽古しました。
セリフを言いながら、型も完成させていきます。
難易度が高いのですが、完成度も高く非常に感心させられます。

こちらも非常に見ごたえのある狂言なので、完成が楽しみです。





2013年のこども狂言クラブのお稽古をしっかりと納めました。

ここからは、来年の稽古始めでの中間発表会に向けて、子どもたちの自主稽古が続くと思います。
2013年のお稽古に毎回顔を出させていただき、大変嬉しく思っています。
毎回のお稽古のたびに、日々変化する内容や狂言の面白さに刺激を受け、私自身も得るものが沢山ありました。

子どもたちには、数々の名場面の写真を撮らせていただきました。
カメラを向けても堂々とした姿に、やはり狂言役者だなと思います。
こんなに狂言が上手な子どもたちはいないと思います。
将来に繋げていって欲しいと思い、この素晴らしい才能をぜひ活かして欲しいです。


引き続き、子どもたちの今後の活躍を見守りたいと思います。
まずは、来年まで見納めですが、楽しみです。


『伝国の杜こども狂言クラブ』に関わる全てのみなさま、良いお年を。
今年1年、大変お世話になりました。

置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○取材日    平成25年12月8日(日)
        場所:伝国の杜 能舞台(米沢市)

○取材協力   伝国の杜こども狂言クラブのみなさん
        ご指導者 和泉流狂言師 山下浩一郎さん
        財団法人米沢上杉文化振興財団 伝国の杜・置賜文化ホール







2013.12.10:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

こども狂言クラブお稽古の取材【米沢市】平成25年12月1日(日)

  • こども狂言クラブお稽古の取材【米沢市】平成25年12月1日(日)

           


伝国の杜こども狂言クラブの平成25年12月1日(日)のお稽古風景をご紹介します。

こども芸術祭(伝統芸能部門)の前に・・こちらをまとめましたので、お先にご紹介。
こども芸術祭に関しては、のちほど時間をかけてたっぷりご紹介したいと思いますので、今しばらくお待ちください。
(※写真の量が半端ないので結構お時間かかるかも・・ごめんなさいorz)


伝国の杜こども狂言クラブは、『置賜こども芸術祭2013』の翌日にお稽古でした。
和泉流狂言師の山下浩一郎先生のご指導のもと、4月からお稽古してきた演目を、能舞台でおさらいしました。

連日の発表やお稽古と続き、狂言クラブのこども達はよく頑張ったと思います。
若いパワーは無限大∞です!


◆お稽古演目

狂言「盆山(ぼんさん)」
小舞「七つ子(ななつご)」
狂言「鐘の音(かねのね)」
小舞「風車(かざぐるま)」
狂言「仏師(ぶっし)」


狂言「盆山(ぼんさん)」

すり足でピタッと止まって足をかけて
 
最初に名乗りをいう位置

新しい型は先生を真似て
 
山下先生の指導をしっかりと耳に



参加者は2名です。
最初から最後までの型(動き)を詳細につけました。

初めての能舞台でのお稽古。
特に冒頭は、ストーリーの背景を説明する重要なセリフが並ぶシーンなので、お客様に理解してもらえるようハキハキと発します。

基本の所作「すり足」も再確認します。
腰から下は常に同じ体勢で、上半身はただのっかっているだけになるように。


小舞「七つ子(ななつご)」

舞台は大きく使いましょう
 
能舞台からの光景も風情がありますね。

山下先生が細かくご指導にあたります。
 
身体の動きを確認する場面



参加者は3名です。
舞を1人ずつご指導いただき、初めての型も繰り返し丁寧にお稽古を重ねます。

小舞「兎(うさぎ)」「宇治の晒(うじのさらし)」も、昨日のこども芸術祭でもって、稽古納めにするため復習しました。

12月からは「七つ子」に集中します。


狂言「鐘の音(かねのね)」

1対1でのお稽古
 
鐘の音の型をていねいに

一人舞台なので難易度は高いです。
 
一生懸命お稽古に励んでいました。



参加者1名です。
長いセリフを暗記し、ハキハキと発声する姿をみると並々ならぬ努力を感じます。


小舞「風車(かざぐるま)」

風車は三人合わせた舞が決め手
 
舞を確認していきます。

着地の場面も慎重に
 
風車の舞 弓引きの型



参加者3名です。

謡は全員で1回通してご指導いただき、舞を丁寧に指導。
まずは一人ずつ舞の型を修正。

発表会で1人ずつ舞うには時間がかかるため、最後に3人で舞う方法を検討するが、本番どうするかは現時点では保留となります。


小舞「仏師(ぶっし)」

ペアでセリフ合わせと型確認
 
他のペアのときも見て稽古

声が良く出ています。
 
シテのセリフ聞いてから



参加者4名です。

前回決めた配役に基づき2人ずつのペアでセリフ合わせと動きの指導を受けました。
待っている間も自分の稽古に役立つよう見学。

仲間の活躍を見て、自身もおさらいします。






よし!次は翌週(12月8日(日))に行われた稽古納めの様子をご紹介!
こちらは昨日、取材に行って参りました。

こども狂言クラブはメンバーを随時募集しておりますよ!
いかがですか?

『こども芸術祭』の記事はちょっとお待ちくださいね。
よし、ここまでまとめきれた・・(ほっ・・)

置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○取材日    平成25年12月1日(日)
        場所:伝国の杜 能舞台(米沢市)

○写真提供   安部理絵さん(財団法人米沢上杉文化振興財団 伝国の杜・置賜文化ホール)

○取材協力   伝国の杜こども狂言クラブのみなさん
        ご指導者 和泉流狂言師 山下浩一郎さん
        財団法人米沢上杉文化振興財団 伝国の杜・置賜文化ホール







2013.12.09:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

こども狂言クラブお稽古の取材【米沢市】伝国の杜

  • こども狂言クラブお稽古の取材【米沢市】伝国の杜

           


伝国の杜こども狂言クラブは、平成25年11月9日(日)に和泉流狂言師の山下浩一郎先生によるお稽古を行いました。
この日は、和泉流狂言師の山下浩一郎先生のご指導のもと、演目ごとに分かれてお稽古を行いました。

掲載が遅くなりましたが、取材に伺いましたのでお伝えいたします。


◆お稽古演目

狂言「盆山(ぼんさん)」
小舞「宇治の晒(うじのさらし)」
狂言「鐘の音(かねのね)」
小舞「七つ子(ななつご)」
狂言「仏師(ぶっし)」


狂言「盆山(ぼんさん)」

狂言「盆山(ぼんさん)」メモも忘れずに
 
動きを覚えていきます。

「メリメリメリ」と引き倒す動作
 
刀を抜く動作を練習



狂言「盆山(ぼんさん)」のお稽古では、前半はセリフ読みをし、
後半は、狂言の動きを覚えました。

狂言の特徴のひとつに、物音を演者自身が台詞で言う「擬音」があります。
狂言「盆山(ぼんさん)」では、扇をのこぎりに見立てて「ズカズカズッカリ」と垣根を壊したり、「メリメリメリ」と引き倒したりする場面があります。
その印象的な台詞は、一度聞くだけで耳に残ります。

お稽古では、「メリメリメリ」と引き倒す場面での力の入れ加減や、表現の方法を練習しました。


小舞「宇治の晒(うじのさらし)」

小舞「宇治の晒(うじのさらし)」の復習稽古
 
扇の高さも大事になってきます。

山下先生が細かくご指導にあたります。
 
身体を引き寄せる動きの場面

2人で舞を舞います。
 
前にかがむ動作



小舞「宇治の晒(うじのさらし)」のお稽古では、次回の発表会「置賜こども芸術祭2013」で披露する演目なので、出演するメンバーで最終確認を行いました。


狂言「鐘の音(かねのね)」

セリフを確認しながら動作を覚えます。
 
山下先生のお手本に沿って細かく習得

一人舞台なので難易度は高いです。
 
一生懸命お稽古に励んでいました。



狂言「鐘の音」のお稽古では、セリフを読みながら狂言の動きを練習しました。
12月に控えている今年度の中間発表に向け、お稽古に励んでいます。


小舞「宇治の晒(うじのさらし)」

能舞台で小舞「宇治の晒」を練習
 
着物と背景が美しいです。

扇を使い、舞を表現します。
 
ひとりでしっかりと舞いました。



伝国の杜・能舞台に移動し、小舞「宇治の晒(うじのさらし)」をひとりで舞の披露をしました。

素敵な着物に着替え、扇を持ち、小舞を舞う姿に、居合わせた人達も足を止め、見入っていました。
小さいながらにも上手に舞う姿に、舞の練習を終えたあとに拍手が沸き起こっていました。


小舞「七つ子(ななつご)」

前半は謡の練習です。
 
後半は舞の型を練習します。

4人が揃うと綺麗です。
 
難しい動きもあります。



小舞「七つ子(ななつご)」のお稽古では、前半は謡の練習をし、
後半は舞の型を練習しました。


狂言「仏師(ぶっし)」

狂言「仏師」の稽古
 
セリフを読みます。

発声も上手です。
 
狂言「仏師」の稽古



この日の最後のお稽古では、狂言「仏師(ぶっし)」です。
主に、セリフ読みと狂言の動きを練習しました。

夜遅くまでのお稽古となりました。







伝国の杜前は紅葉が綺麗でした。

12月には本年度4月から習っている狂言・小舞の演目を発表する中間発表会が予定されております。
子ども達のお稽古の成果が楽しみです。




置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○取材日    平成25年11月9日(日)
        場所:伝国の杜 大会議室(米沢市)

○取材協力   伝国の杜こども狂言クラブのみなさん
        ご指導者 和泉流狂言師 山下浩一郎さん
        財団法人米沢上杉文化振興財団 伝国の杜・置賜文化ホール







2013.11.27:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

まほろばの里芸能祭「延年の舞 競演」【高畠町】高畠町文化ホール「まほら」

  • まほろばの里芸能祭「延年の舞 競演」【高畠町】高畠町文化ホール「まほら」

           


11月19日(火)に高畠町の安久津八幡神社に伝わる県の無形民俗文化財「延年の舞」をテーマとした「まほろばの里芸能祭 延年の舞競演」が高畠町文化ホール「まほら」で開催されました。



まほろばの里芸能祭「延年の舞 競演」
「各地の伝統芸能」と題した第1部では、高畠町内の男児3名による安久津八幡神社の延年の舞、山形県鶴岡市の高寺八講、富山県南砺市の「五箇山のこきりこ踊り」が披露されました。

「歌舞伎にみる延年の舞」と題した第2部では、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんと三味線奏者の上妻宏光さんが「若き才―伝統の次世代への継承」と題しトークを展開し、
歌舞伎十八番「勧進帳」の中で弁慶が舞う延年の舞を、市川海老蔵さんが舞いました。


数多くの有形・無形の歴史的文化遺産をいまに継承する山形県・高畠町。
安久津八幡神社の秋の例大祭(9月)で奉納される「延年の舞」を広く伝えようと、町や町芸術文化協会などで実行委員会を組織し企画、文化庁の「文化遺産を活かした地域活性化事業」の支援を受け、開催されました。

室町期より安久津八幡神社に伝わる「延年の舞」を主題に、日本各地に継承される一級の伝統芸能から歌舞伎まで、日本の古典芸能の絆を結集した「延年の舞」
天平期に大陸から伝来した舞楽や散楽を源に、風流、歌舞音曲、猿楽、白拍子などが融合され生まれた「延年の舞」を通して日本の芸能に潜在する価値とその魅力に迫った、日本各地の延年の夢のコラボレーション。

取材してきましたので、安久津八幡神社の延年の舞をご紹介します。


安久津八幡神社

安久津八幡神社(高畠町)
 
春の例大祭「倭舞」にて


安久津八幡神社の文化遺産は、毎年5月3日には倭舞、9月15日には延年の舞が気品高く、古式豊かに舞われるなど、およそ千年引き継がれている貴重なものとなっています。
同神社文化財保存会がこの貴重な文化遺産を継承し、次世代に伝えていく活動を行なっています。
しかしながら、近年、特に倭舞や延年の舞のご指導者の高齢化や後継者不足等により、これらの舞の継承が危ぶまれておりました。

こうした中、昨年10月には、羽田空港国際線ターミナル江戸舞台での延年の舞の上演を行い、
そして、この日は日本各地で伝統芸能の継承に取り組んでいる方々と豪華ゲストとの「延年の舞」をテーマにした競演を行う機会が設けられ、このような大舞台の機会があることにより、新たに指導者や巫女や稚児の確保・育成に取り組むことができるのです。
保存会はもちろん、ご指導者や巫女や稚児たちも伝統芸能の継承に意を強くしたといいます。


振鉾式(えんぶしき)

 


それでは、延年の舞のご紹介です。

安久津の延年の舞は、世界遺産平泉藤原氏の仏教文化の流れを組むといわれています。
秋の例大祭に、五穀豊穣、国家安全を願って、地元の子ども達が舞楽殿で神や仏に舞を奉納します。

各地の舞が、中世以降伝えられなくなったのに対して、安久津の延年は古式をよく残しているところに特徴があります。
演目は、振鉾式、三躰舞、拝舞、眺望楽、太平楽など7曲があり、舞師の指導の下で練習を積んだ稚児が舞います。

まず初めに「振鉾式」です。
式のはじまりに、2本の鉾を持った舞人とよばれる大人が舞います。


三躰舞(さんたいまい)

 

 

 


延年の舞を披露する稚児は、高畠町立第一中学校の1年生の男児3名です。

置賜文化フォーラムでは、今年(平成25年9月15日)の延年の舞の様子もご紹介していますが、
今年の例大祭で舞った稚児ではなく、昨年舞を経験した稚児3名による披露です。

この3名は、前述でもご紹介したように、昨年10月に、羽田空港国際線ターミナル江戸舞台での延年の舞を上演したメンバーです。

今年は、伝承の関係で広く経験してもらおうと、6名の稚児が各演目を舞いましたが、
本来、延年の舞は稚児3名で舞うものなのです。

三躰舞は、稚児3名で舞います。
「一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つと・・・」続く唱歌に合わせて、舞います。


拝舞(おがみまい)

 

 


稚児が舞う各演目は、出舞人の唱歌につれて舞います。
演目ごとに唱歌が違い、大変厳かで一定のテンポの唱歌となっています。

拝舞は、扇を持ち、合掌してその名の通り、拝むような姿勢で舞います。


眺望楽(ちょうぼうらく)

 



太平楽は、白い装束で頭にはちまきを締め、太刀を用いて舞います。
「ひーふーみーよーえーむーななーと・・・」と続く唱歌に合わせて、舞います。


太平楽(たいへいらく)

 

 



太平楽と同じ衣装で舞います。
「とごーとごーとごーとごとごとご・・・」と続く唱歌に合わせて、太刀を用いて舞います。


蛇取舞(へびとりまい)

 

 

 



蛇取舞は、中央に蛇のかたちをした布を置き、その周辺を舞います。
舞の前半に蛇退治を表現し、後半に退治した喜びを表現しています。


姥舞(うばまい)

 

 



最後を締めくくる演目は、姥舞です。
大人による舞になります。

奥州平泉毛越寺(岩手県)の「老女の舞」と同系のもので、稀にみる秘曲とされています。
ゆっくりと姥が動き、気品ある舞です。
昔の人は、姥の面の向く方向で、その年は豊作か不作か判断したそうです。



「延年の舞」上演を終えた稚児3名
大変厳かで気品ある舞を堂々と披露しました。

この上演まで、11月に入ってから週に数回、練習に練習を重ねてきたといいます。

舞の完成度も非常に高く、1000年伝わるこの舞が、現在にも継承されていること、そして地元の子ども達によって大切に守られていることに、改めて感動を覚えました。



同公演は抽選で無料招待されたものでしたが、山形県外からも沢山の応募があったそうです。
延年の舞を終えた稚児らは、800人超の超満員の観衆の喝采を浴びていました。

子ども達が演じる舞が、安久津八幡神社だけではなく高畠町を代表する舞になることを願って止みません。

練習風景の様子

 


延年の舞競演から感じたこと

「若き才―伝統の次世代への継承」と題した市川海老蔵さんによるトークの中で、

「前の代から引き継いだ荷物を、次の世代に渡す義務がある。
そして、日本の要(かなめ)は文化である。
伝統をどうやって守っていくかということは、日本人が伝統芸能の文化以外にも身近にある食事の文化や四季折々の文化を、理解を示して進んでいくことが、日本を更に日本らしくあるためには必要ではないか。
日本の文化の中で自分の魅力も知ることができる。
例えば、教育の中で子どもの頃から、日本舞踊に親しむだとか、そういった方向に日本全体が進んでいけば良いと思う。」

というお言葉が印象に残りました。
こども狂言クラブも取材している中で、和泉流狂言師山下先生も同じようなことをおっしゃっていたことを思い出しました。

日本の伝統芸能を守り続ける為には、日本の文化をしっかり理解し、親しむことが大事だと思います。
日本人のひとりひとりの意識が、伝統芸能が途絶えないようにするために必要なのではないでしょうか。
安久津の延年も、例大祭の他にこのような催しで多くの人々に知ってもらったことによって、舞の継承の危機を逃れたこともあるのです。


日本最古の舞踊として田楽や能・狂言の源流といわれる延年の舞。
歌舞伎の成立にも影響を与えたとされています。

市川海老蔵さんは、歌舞伎十八番「勧進帳」の中で弁慶が舞う延年の舞を舞いました。
「勧進帳」は、源義経と武蔵坊弁慶が都から欧州・平泉へ向かう途中、案宅の関を通り抜けて危機を脱した際に弁慶が舞います。
弁慶は比叡山で僧侶をやっていたので、延年の舞を知っていました。
関所を通過し、ほっとした気持ちが表れている舞だそうです。

ちなみに平泉の中尊寺には武蔵坊弁慶のお墓もあります。
中尊寺を訪れれば、源義経と武蔵坊弁慶のお話も聞くことができるので楽しいです。
安久津の延年の舞は、世界遺産平泉藤原氏の仏教文化の流れを組むといわれているので、
毛越寺の延年の舞もぜひ見に行ってみたいものです。
個人的には岩手県(イーハトーブ)の歴史が大好きなので、こんなところから繋がるとは思いませんでしたね。

何より高畠の安久津八幡神社に延年の舞が伝わっているからこそ、この競演が出来たと思いますので、伝統文化の魅力を町全体で守っていって欲しいと思います。
延年の舞を披露した中学1年生の男児は、
「緊張したけど、海老蔵さんと一緒の舞台で披露することができて嬉しかったです。」と言っていました。
この世代で伝統を守ること、意を強くしていることは大変立派です。


ぜひ、来年の安久津八幡神社の「延年の舞」も足を運んでくだされば幸いです。
現地で感じた感動は、その時間・その場所でしか感じられないと思います。
数ある伝統芸能を取材して参りましたが、多くの人に知ってもらうことが一番大事なことなのです。

私は各地の伝統芸能をこれからも追い続け、ご紹介していきたいと思います。
何より置賜の地に、歴史ある伝統が数々あることが素晴らしいです。


置賜こども芸術祭2013」もよろしくお願いいたします。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○取材日    平成25年11月19日(火)
        詳細:まほろばの里芸能祭 延年の舞競演
        場所:高畠町文化ホール「まほら」

○取材協力   高畠町産業経済課
        安久津八幡神社文化財保存会
        安久津八幡神社(一戸芳樹宮司)

○関連記事   安久津八幡神社秋の例大祭「延年の舞」奉納
        平成25年9月15日(日) 安久津八幡神社 舞楽殿
        安久津八幡神社「田植舞」披露
        平成25年6月2日(日) 米鶴酒造株式会社








2013.11.21:xx34chanxx:コメント(0):[トップ]

■置賜こども芸術祭2013(舞台芸術部門)開催のご案内■

  • ■置賜こども芸術祭2013(舞台芸術部門)開催のご案内■
▶チラシPDFファイルはこちら(PDF:1.66MB)


置賜こども芸術祭2013

置賜文化フォーラムでは、次代の置賜地域の文化を担う人材を育成することを目的として、置賜こども芸術祭2013(舞台芸術部門)を開催します。

”置賜こども芸術祭”とは、置賜地域の文化を担っていくこども達に、さらに力をつけて欲しいという思いから開催され、今年で10回目となります。
舞台芸術部門では、伝統芸能や音楽などの様々な舞台芸術に取り組むこども達が、日ごろの練習の成果を発表します。

置賜文化フォーラムで取材に伺った伝国の杜こども狂言クラブや八乙女の舞、
そして今年は小国町から、今年度で閉校となる沖庭小学校の沖小歌舞伎が出演します。
沖小歌舞伎は同校閉校にともない、26年の歴史に幕を下ろすこととなり、
「置賜こども芸術祭2013」をもって、最後の出演とお聞きしています。

置賜地域の7団体が出演し、県内からも注目度の高い沖小歌舞伎、黒獅子舞、狂言・小舞、巫女舞などを披露します。

こども達が元気いっぱい、演じ、舞い、歌います!
入場無料となっておりますので、ぜひお気軽にお越しください。
多くのみなさまのご来場をお待ちしております。

■日  時  :  平成25年11月30日(土)
          開場13:00 開演13:30

■会  場  :  飯豊町町民総合センター「あ~す」

■出演団体  :  ・屋代小学校ひろすけ合唱団【合唱】(高畠町)
          ・南陽市少年少女合唱団コールエンジェル【合唱】(南陽市)
          ・飯豊町少年少女合唱団ミルキーウェイ【合唱】(飯豊町)
          ・長井小学校獅子舞クラブ【黒獅子舞】(長井市)
          ・伝国の杜こども狂言クラブ【狂言・小舞】(米沢市)
          ・八乙女の舞【巫女舞】(白鷹町)
          ・沖庭小学校【沖小歌舞伎】(小国町)

■入 場 料   :  無料

■主  催  :  置賜文化フォーラム

■問い合わせ :  置賜文化フォーラム事務局(山形県置賜総合支庁地域振興課内)
          電話(0238)26-6018






○関連記事  :  ・置賜こども芸術祭2012
           2012年11月10日(土) 高畠町文化ホールまほら
          ・置賜こども芸術祭2011(前編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館
          ・置賜こども芸術祭2011(後編)
           2011年12月3日(土) 長井市民文化会館




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