
9月5日(木)に、伝国の杜・置賜文化ホール(米沢市)のエントランスにある能舞台の移動作業が行われました。
能や狂言の公演時には、置賜文化ホールのステージ(舞台迫り)に能舞台を移動して、ホールは本格的な能楽堂になります。
9月8日(日)に「山形県能楽の祭典」が開催されましたので、このような公演ごとに年に数回程度、移動が行われています。
通常、能舞台の移動作業は非公開となっており、一般公開はされておりませんが、
今回、こちらの様子を取材させていただきました。
普段見ることが出来ない模様を写真と共にお伝えしたいと思います。

伝国の杜を入るとすぐに、立派な能舞台が目に入ります。
この能舞台はホバークラフトの原理を利用し、空気浮上しながら移動させる全国初の能舞台です。
鏡板に描かれている松と竹の絵は、米沢市出身の福王寺法林画伯によるものです。
①浮上→前先行
![]() 空気圧により能舞台が浮上 | ![]() 前方に約3.5メートル移動 |
ホバークラフトの原理により、石床から数センチ、能舞台が浮上します。
ホバークラフトは上から吸い込んだ大量の空気を能舞台の下に吹き込み続けることで浮上します。
総重量が約50トンある能舞台も空気浮上することにより、約1トンの力で牽引することが可能になります。
浮上後、ワイヤーで前方に引っ張り、約3、5メートル移動させます。
②旋回
![]() ホールに向かって旋回 | ![]() 徐々に進んでいきます。 |
![]() ホールへの入口も丁度良く設計されています。 | ![]() 90度旋回します。 |
![]() 能舞台を裏から見た光景 | ![]() 旋回完了です。 |
浮上後、能舞台を90度旋回させます。
ウインチで牽引しながら後ろのホール内に移動します。
1分間に約1メートルの速度で移動します。
④横走行
![]() 横に走行していきます。 | ![]() ステージから見た光景 |
![]() 徐々に動いていきます。 | ![]() ステージへ走行完了です。 |
旋回が完了したら、続いて横に走行します。
移動距離は、約23、5メートルです。
置賜文化ホールのステージに向かって進んでいきます。
⑤前走行→着床
![]() 前走行していきます。 | ![]() 着床完了です。 |
ステージに移動が完了したら、続いて前走行です。
客席側に向かって、能舞台が進んでいきます。
⑥舞台迫り下降→移動完了
![]() 着床を終え、続いてステージが降りていきます。 | ![]() ゆっくりと下がるステージ |
![]() 客席との段差がなくなっていきます。 | ![]() ステージ下降完了 |
![]() 置賜文化ホールに能楽堂が完成 | ![]() 脇見所と呼ばれる席もあります。 |
客席側との段差をなくすため、ステージが下降し、下降が完了した後は、本格的な能楽堂が完成します。
◆移動後、伝国の杜エントランス
![]() 能舞台が移動され、広い空間となったエントランス | ![]() いかに大きい能舞台だったか実感します。 |
写真では、伝わりづらい部分もあるかと思いますので、
一連の流れをパラパラ風の写真で作ってみました。

能舞台の移動という、貴重な現場にお邪魔できたことを大変光栄に思います。
全国でも珍しい動く能舞台が身近にあるということも、米沢地方の歴史、上杉文化の伝承が続いているからこそだと、改めて素晴らしいと感じました。
いずれの芸事もそうですが、人々は、自らの師匠の姿を真似ることで受け継いできたのだと、わかりました。
次回は、こちらの置賜文化ホールの能舞台で行なわれた「山形県能楽の祭典」の様子をお伝えしたいと思います。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。


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