株式会社 財務経営調査研究所(FMI)
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綱渡りの中国経済政策
1.最大問題は格差
・中国に大いなる経済発展をもたらした開放路線は、社会主義国に存在してはなら ない大きな格差を生んだ。皮肉な矛盾そのものである。
・成長神話華やかしころは包み隠せたが今や限界、表面上の豊かさとは裏腹に国民 生活の実態がついていかない。繁栄の陰の貧しさをどうするか大きな難題。
2.深刻な労働問題とコスト上昇
・静かだった国民、特に中産階級の賃上げと生活改善要求は益々高まる。
・一人っ子政策の反動もあり人手不足が深刻化、都市部では恒常的に不足し始め、
経営側も思い切った賃上げをせざるを得なくなった。
3.綱渡りの経済運営
・中国政府が格差問題等から国民感情の高まりをいかに警戒しているかは、本年
早々、チュニジアのベン・アリ長期独裁政権が崩壊したジャスミン革命が、ネッ ト経由で流入することに異常に反応した事実で明らかである。
4.社会不安抑制と高い経済成長を目指す政策ジレンマ
・中国は引き続き高い経済成長を目指す。反面、これ以上インフレにならないよう 引き締めをせざるを得ない。
・インフレ抑制のため、金利を上げると低所得層の生活が厳しくなり、市民たちが 蜂起するかもしれない。
・それを避けるため賃上げ抑制は拙い、しかしインフレは困る。
・結局、企業のコスト負担は重くなり業績悪化を招く。倒産と失業の増加は社会
不安を増幅させ、国際競争力の低下を招く悪循環に陥る危険が大といえよう。
2011.10.21:
uemura
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