FPのひとりごと

▼バイトの帝王34−たこ部屋番外編 X

どこからともなく
黒塗りの 乗用車が
3台 やってきて
我々の 傍らに スーッと
停まりました
そして 黒いスーツの軍団が
車を 降りて 花道を つくり
その花道を ボスが 肩を いからせて
歩いてきました
車のライトが 逆光に なっていて
誰やら よく わかりません

ボス いきなり 連中のバイク
5・6台を 蹴って 倒すやいなや
『てめーら 俺の舎弟に なにをしやがる!!』
と 啖呵を 切り やにわに 振り返って
私に ウィンク しました

『バイト〜』
『おお親分・・・』

劇的な再会 です

本物の迫力の前に 族も 恐れをなし
蜘蛛の子を 散らすように
いなくなりました

助かったことは 助かったんだけど・・
でも どうして ここが わかったの?

親分 ニヤッと笑って
『企業秘密!』

あれから もう 30年・・・
親分とも 会っていないし
相当な 高齢に なっているんだろうけど
私が また 危ない目に 会ったら
また スーパーマンのように 現れて
助けてくれるような
そんな 気がして なりません

             (完)

【後日談】
 後日 族のヘッドが 謝罪に 来ました
 それは まあ よかったんだけど・・・

 『すみませんでした その筋の方 とは知らず・・・』
 (ちがうってば ま いいか・・)
 『実は 人違い だったんです』
 (え〜!)
 『俺ら あんたみたいな “おっさん”を
  襲ったり しませんから』
 (って なんだよ それ おっさんかよ!!)

 なんでも 他の族のメンバーと 間違えたんだって

 『ところで どちらの 組に いらっしゃるんですか?』

 『いや だから ほら あの 難波(ナンバ→ナンパ)組だ!』

 『???』

  おおうそ ついて しまいました
  ごめんなさい!! 
2007.05.25:tnw

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