FPのひとりごと

▼だっから言ったじゃないの!E

いま思えば
当時は 営業の仕方も かなりバブリーだった

金融機関では系列の子会社で保険の代理店をやってることが多い
そこでは住宅ローン絡みの大きな火災保険が出てくるので
保険会社にとっては かなりのドル箱スター代理店であった

代理店から火災保険が出ると 融資実行した支店に預金をした
協力預金という名目で だいたいは一週間の通知預金だった
支店にとっては 預金残高をかさ上げすることができるので喜ばれたが
保険会社にとっては 手間だけかかって実利のない預金だった
保険料が大きくなると 預金額は あっという間に億単位になる
それを 保険会社の末端社員がダイレクトに動かすのである
私がいたのが大手だったということもあるが
30そこそこの社員が毎年10億以上は預金として動かしていた
とはいっても そこは“やったもん勝ち”の世界
前年の実績と“声のデカさ”で会社から預金枠をもぎとっていた

預金の置き方(貼付け方)は 先置き 後置き の二通りがあった
通常は 実績が出てから それに見合う預金を御礼として置くが
預金残高の足りない支店は 先に預金を置くことを望むことがあった
そんなとき 我々はニコニコでホイホイと預金を置かしていただいた
なぜなら 将来の実績が約束されているようなもんだからだ

ところが たちの悪い支店→支店長がいるもんで
預金を置いたはいいが 一向に実績を挙げないことがある
表面上は 会社が そこの支店に預金をしただけのことだが
実態は 実績で返済させる融資みたいなもんだ
金融機関に融資するんだから ちょっとすごい
返済が滞っている支店には バンバン督促に行った

『ちょっと返してくれないと困るんですけどねー』って

金融機関に返済を迫るんだから こりゃなかなかのもんだ
返済の意思がない確信犯の支店長を“食い逃げ”と呼び 徹底マークした
期末近くになると毎日のように“追い込み”をかけたが
中には 居留守を使ったりトイレに籠城する支店長までいた
転勤で逃げ切ろうとする支店長には新しい赴任先に“挨拶”にいった
ここまでくると ほとんど悪徳金融業者かヤクザだ

バブルが人心を惑わしたとしか思えないが
それにしても まあ ひどいことをしていたもんだ

2010.10.04:tnw

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