FPのひとりごと

▼天網恢恢

入社半年目の9月になると



ボクの上着の胸ポケットには 辞表が常時仕込まれていた



原因?



一言でいえば『閉塞感』かな



佐分利―次長ラインの上からの押さえつけに辟易していたし



部内のどんよりとした空気がたまらずに嫌だった



しかも佐分利―次長ラインには闇の部分が見え隠れしていた



当時の総会屋対策は必要悪だったのかもしれないが



お二人はその世界のはまり役に見えた



(後に週刊誌(○○○芸能)に次長は実名で載ってらした)



佐分利部長は役員も兼務していて次期社長候補だった



清濁併せ呑む度量と才覚を評価されたのだろうが



ボクにはダースベーダ―にしか見えなかった



ボクの直属の上司である管理職は人事課長だった



人事課長って 普通の会社なら管理職の花形だが



人はいいけど弱気な彼は佐分利―次長ラインに翻弄されていた



佐分利部長が彼になにか言いつけると



デスクに膝をぶつけながら立ち上がり『は はい』と慌てふためいて返答



盛ってるわけではなく リアルにそうだったいつも



残念だが 課長に多くを期待しても無理なのは明らか



みんな思いは同じなのに 誰も突破口になろうとはしない



9月の下旬 もはやこれまでと



みんなの見ている前で 佐分利部長に退職願を提出した



佐分利氏の表情がちょっとだけ曇った




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はすっぱな新入社員の退職など 普通はなんの影響力もないのだろうが



この後 予想もしない展開が待っていた

2020.12.24:tnw

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