FPのひとりごと

▼青春のいじわる

三島由紀夫が



「忠義っていう点じゃ新左翼だって好きだよ」



と言ってた



あの極右の三島がだ



功業の対極にある忠義 僕も燃えていた 左側で



その頃 北朝鮮はその筋に「地上の楽園」と呼ばれていた



日本の左翼政党もその喧伝に大いに加担していた






その頃 ボクは大学にもいかず バイクで毎日海に出没していた



好きなスポットを探しては 泳いで 海風に吹かれていた



その辺一帯は寄居浜という風光明媚なスポットだった





その頃 寄居浜で横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された



中1だった



当時は当地でさえまったく話題にすらならなかった



地上の楽園がそんなことをしているなんて誰一人想像だにしなかった





その頃 ボク 北朝鮮シンパだったボクは



拉致はさすがに望みはしなかっただろうが



歌声喫茶あたりで情熱的にオルグされたら



北朝鮮に自分から渡っていたかもしれない



マドンナとの別れは辛かったろうが



自分の忠義を果たすために と
 





あれから四十有余年



めぐみさんはいまだに帰ってこない






滋さんの墓前に帰国を報告できるのはいつの日なのか



母の慟哭が国家を衝き動かすのはいつの日なのか



いつまでも明けない闇夜に虚しさだけが残る…




あれから ボクは国家も政党もマスコミも信じなくなった
2020.12.09:tnw

HOME

copyright/tnw

powered by samidare