FPのひとりごと
▼イノセントD
伊勢丹を出た二人は 裏通りに出た
裏通りをだらだら歩いた後 ふらっとパチンコ屋に入った
『ここ ゲーセン?』
『なわけないだろ パチンコ屋だよ!』
『パチンコ屋って へー これが・・ 』
『入ったことなかったんだ パチンコ屋』
『うん 初めて!』
子供のように目を輝かせたポンタが Mの背中を押した
『はやく やろうやろう!』
『バカだなあ 台を選ばなきゃいけないの!』
『すごーい Mクン プロみたい』
『じゃねーけど そういうもんなの』
あまり混んでない店内をきょろきょろしていたポンタ
ひときわ電飾の派手な台の前で急に立ち止まり
『アタシこれにする!』 と言い出した
『って オレまだ選んでねえし・・』
『いいから いいから 隣に座って!』
Mを隣に座らせたポンタ ハンドルをガチャガチャいわせながら
『Mクン なにも出ないよ』 と口をとがらせた
Mが玉のはじき方と狙いどころを教えたのだが
すぐにリーチがかかり あっという間に『7』が3つ並んだ
じゃらじゃらと止めどなく出てくる玉を見て ポンタの息遣いが荒くなった
『Mクン Mクン Mクン どうしよう どうしよう 』
呆気にとられていたMが ドル箱を用意して玉をかき集めた
『これって なにがどうなってんの?』
『出ちゃったの 大当たりが!』
結局 1時間もしないうちに 大枚3万円がポンタの懐に入った
興奮冷めやらぬポンタ
『どうしよう まだドキドキしてる』 と言って
Mの手を自分の左胸に当てさせた
激しい鼓動と柔らかくて暖かい感触がMに残った
2014.03.28:tnw
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