FPのひとりごと

▼イノセントC

『前から入ってみたかったんだけど・・』


『って牛丼屋?』


『女の子一人じゃなかなか入れないの・・』


『そんなもんなんだ・・』


『そんなものなの!』 『でも おいしかったよ』


『で これから どこ連れてってくれるの?』


『Mクンは どこがいいの?』


『そうだなー・・』


『ここ!』


『ここって 新宿?』


『そう 新宿!』


『だって Mクン ここいつもタムロしてんでしょ!』


『まあね でもここがいいの』


『なんで?』


『なんで・・ そうねえ なんかスカしてないじゃん ここ』


『スカしてない・・ へえー そうなの』


『じゃあ私を案内して』


『って なんだよ それ・・』



結局 Mがポンタに新宿の街を案内することになった


最初に紀伊国屋で立ち読みした後 伊勢丹に向かう二人



『Mクン デパート好きなの?』


『好きじゃないんだけど ここを裏通りの通路にしてんの』



伊勢丹の二階を抜けていくと ちょうど裏通りに出られるのだった


二人が1Fの化粧品コーナーを抜けようとしたとき ポンタが立ち止った



『ゴメン ちょっとだけ待ってて』



ポンタは店員と何か話しこんでいた Mには見せない大人びた表情だった


手持無沙汰なM なにげに店員の後ろのポスターを眺めていた


そのポスターは 国内メーカーの口紅の新商品のだった


視線をはずそうとしたとき 何か気になって もう一度視線を戻した


モデルの女性の目元が どこかで見たことのあるような気がした


買い物をすましたポンタが 視線を遮るように急ぎ足で近づき


『行こう!』 とMの腕を引っ張った


ほのかに柑橘系の香りがした Mの好きな香りだった
2014.03.27:tnw

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