FPのひとりごと

▼スポーツは銭や・・?A

損保業界は 長年にわたり(ほんのつい最近まで)
大蔵省主導の護送船団方式という“ぬるま湯”にどっぷり浸かってきた

信じられない話がある
私がまだ損保の社員だった頃 自動車保険の『白タリフ』なるものがあった
タリフというのは料率表のことで 白は単に表紙が白かったからだ
今では考えられないが 当時は保険料を算出するのは手計算だった
基本料率ってやつに いろんな割増や割引を足したり掛けたりした
めんどくさいことこの上ないが それしか手がないんだからしょうがない

損保の募集には資格が必要だ
昔は 初級→普通→上級→特級と四段階で損保協会が管理していた
その資格試験の自動車保険の保険料算出問題には白タリフが使われた
保険料というのは その保険の価格のことだ
資格試験は当然ながら各社入り乱れで行われるのだが
保険の価格を算出するのに 各社が同じ料率表を使っていた
これって妙だと思いませんか?
いくら試験だとはいえ 各社が同じ料金表を使うって
実は
試験の時だけならわかるが この白タリフ 実際の商売でも使われていた
各社の料率表には白以外の色の表紙がついていたが
料率表の中身(料率そのもの)は全く一緒だった
つまり 損保全社が同一料金体系だったということだ
自動車保険だけではない
火災保険や傷害保険や新種と呼ばれる保険まで全部だ
しかし よく公取が黙っていたもんだねえ・・

価格競争がなくて 末端までが潤うようにできていて
しかも そのことに“お上”のお墨付きがついてんだから
公営企業並みに安泰だったのは当然のわけだ


当時 東京海上と安田火災は損保業界の二枚看板だった
その安田火災が中心のNKSJグループが1000億円の赤字・・
いや〜 隔世の感だねー こりゃあ 
2012.01.30:tnw

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