FPのひとりごと

▼雲と泥I

猛獣がいるからこそ猛獣使いが存在する
ということは 企業とは猛獣が原点だということになる
企業とは放っておけば 暴れだし悪さをするのが世の常なのだ
いやなら そういう企業しか生き残れない資本主義をやめるしかない
今の日本で二枚舌をうまく使い分けているのは孫正義と三木谷浩史だ
彼らの経営のバランス感覚は鋭いが 腹黒さも相当のものだ

自分の社員時代を思い出しても
会社は時に“やばめの”のベクトルに向かって一斉に走り出すことがある
時代や同業他社が先駆けていて その尻馬に乗るケースもあるが
自らが先駆けとなり イレギュラーケースに突っ込んでいくこともある

会社の“やばめの”ベクトルというのは
IRで報告できるようなものでは勿論ない
社内であっても『読後廃棄』のマークがあるような
ちょっと“わけあり”の文書の中にそれは潜んでいて
“わけしり”の社員間に伝達され共有される一種の“ムード”だ
(“赤信号 みんなで渡ればこわくない” に似ている)

だいたいの筋立ては 原則とか前段とかが滔々と述べられた後に
『さはさりながら』ときて 本音とか本題とかがやってくるのだが
なんのことはない 猛獣を野に放つための社内の『特赦令』だ
少々?イレギュラー(場合によっては限りなくインモラル)ではあるが
他社対抗上・顧客保護のため(とよく言われるが 本音は自社利益のため)
やむなく 暫時 特例を認めざるを得ないというスタンスを取る

保険会社にとって 節税目的の事業保険は両刃の剣だ
脱税に限りなく近い節税ならば 加入率はグンとアップするが
そんなことを 当然のことながら 国税当局が見逃すはずがなく
ゆえに 腹の探り合い からの 開発→摘発の“いたちごっこ”となる
この分野 まさに『読後廃棄』の分野で 隠語なども飛び交う
私の現役時代は『マルフク』『マルゴ』などの隠語が飛び交った
節税商品が売れるということは 直接・間接に税収が落ちるということだ
節税効果が高い(より脱税に近い)のなら それは尚更ということになる
企業が社会的責任を全うするのなら やってはならないことになるが
そこは 猛獣使いが わざと余所見をする世界となり
そうすると ♪もう どうにも止まらない ♪ 世界となる

あれは とっても不思議な集団心理だ
秘密を共有することで 秘密結社的な団結が生まれ
ベクトルの向かっている“やばさ”がどこかに飛んでしまう
少年達が秘密基地を作ったり 落とし穴を掘るのとどこか似ている
殆ど意味がなかったり やっちゃいけないことを一生懸命にやる
後から考えれば“なんであんなことを・・”と反省するのだが
やってる最中は 熱病に冒されてるようで周りが見えなくなる
上記の『マルゴ』をバカスカ売った私が言うんだから間違いない

組織の中では 簡単に個の個性など蹴散らされてしまうのである 

2011.06.30:tnw

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