FPのひとりごと
▼雲と泥H
前田恒彦氏をよく知る人々にとって
彼が《検事による証拠品改竄》などという天地がひっくり返るような
そんな前代未聞(ではどうもなさそうだが・・)の大事件=犯罪を
起こすような人間には どうやったって見えなかったと思う
たぶん 彼は まじめで勤勉で努力家の善良な一市民だったのだと思う
もし彼が弁護士の方の道を選んでいたら 優秀な弁護士になっただろう
なにが彼を司法制度そのものを揺るがすような行為に手を染めさせたのか
そこには 組織対個人という古典的かつ現代的な問題が潜んでいる
《組織》
東京電力が『とんでもない企業』であることは論を待たない
国策での原発政策というと 首謀者ではないという印象を持つが
とんでもない! 国と東電は原発推進の強力な両輪だ
殊更に『安全神話』を振りまき 地球温暖化と化石燃料の枯渇を味方に
エネルギー政策の王道を突き進み 花形輸出産業の顔まで見せていたが
実は 見えていない(見せていない)諸々の莫大な経費がかかり
核廃棄物の最終処理方法さえ決まっていないという欠陥だらけのシステム
(“トイレのないマンション”て言いえて妙だが かなりブラックだ)
それを親方日の丸で突き進めていたわけで・・ やっぱり とんでもない
企業って難しいのは 一方で 弱肉強食の世界を勝ち抜ける必要があり
もう一方で 倫理とか社会的責任も必要になってくるというところだ
一方は猛獣の世界で もう一方は猛獣使いの世界 端から二律背反だ
そう考えると 資本主義下の企業は 最初から二枚舌を使わざるを得ない
錚々たる有名企業が どこもかしこも本業外の財テクに血道をあげ
違法な損失補填や利益の付け替えで問題になったのは20年前のことだが
資本主義の根幹が変わらない限り その体質が変わることもまたない
2011.06.29:tnw
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