FPのひとりごと

▼スキーは楽し・・かったのか?A

いまはなき横森スキー場


“土手滑り”が数秒だったとすれば
ここは数十秒 いや十数秒 ぐらいのもんだが
それでも土手しか滑ったことのない私にとっては
それはそれは立派なというか画期的なスキー場だった

だいたいにおいて 滑るという楽しみを得るには
反対給付として斜面を登るという行為(苦痛)がセットになっていたが
なんとここではロープ塔という便利な機械でそれを省略できるのだ
これをカルチャーショックと言わずして なにをそう言うのだろうか
少年の目からは ウロコが何枚も何枚も雪上に落ちるのであった

しかし この機械 少年にとっては厄介極まりない代物であった
この機械 要はロープがグルグル回っているだけの単純な仕組みだが
急坂をスキーをはいて両手だけでバランスをとって登るということが
非力な少年にとっては かなりハードルの高い行為であった
ロープを強く握らなければ斜面を登っていくことはできないが
いきなり強く握ると身体が前のめりになって転倒してしまう
オイルでべったりのロープを徐々に強く握るのはかなり難しい
スキーが“逆ハの字”になって無様に転倒すると
係員の人が安全のためロープ塔を停止するので
“あいつが止めやがった”という視線も少年には痛い
ああやっと熟練したなという頃にはグローブはボロボロだ

いろんな意味でロープ塔は少年には“痛い”ものであった
2011.02.13:tnw

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