FPのひとりごと

▼ナノ闘病記I-1

私の方はその後はえらい順調で
退院を待つばかりの身となっていた
これまで 激痛&手術でいっぱいいっぱいで
同じ病室の他の患者さんたちを見る余裕さえなかったが
今度は逆に暇を持て余すような立場になってしまい
他の患者さんたちとも徐々にコミュニケーションをとれるようになった

4人部屋で仲間は3人だったが全員70歳以上だった
3人のうち2人は私と同じ泌尿器科系の病気で手術待ちだ
2人のうちの1人はヘルニア系の手術待ちと聞いていた

私の退院の前の日だった
早番の看護師が“ヘルニアの人”に向かって

『今日は手術ですから手術着に着替えてください!』と言った
ヘルニアの人
『 ・・・・・・ 』
看護師
『早くしてくださいよ!』
ヘルニアの人
『あのーー聞いてないんですが・・』
看護師
『なに言ってんのよ! あなたが忘れただけでしょ!』
ヘルニアの人
『 ・・・・・・ 』

看護師には徐々にイライラが出てきていたし
完全に上から目線で 認知症患者を相手にしているような口調だった
私は彼の手術の日程は聞いていなかったので傍観していた
看護師が去った後 彼は手術着を着ながら小声でボソボソ言っていた

『今日なんて聞いてないよ・・・』

件の看護師がまたやってきて 着替えの遅い彼に向かって

『今日は膀胱結石の手術があるんだから 早くして!』

彼&私  『 ? 』

なんで 膀胱結石なんだろう?

二人でお互いに顔を見詰め合ってポカンとしていた
2010.12.14:tnw

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