FPのひとりごと
▼ナノ闘病記D
自分の体内 それも臓器の中を覗くという機会はそうない
そりゃまあ考えてみれば超あたりまえのことではあるが・・
とにかくヘンなのである リアルなのにバーチャル みたいな
膀胱内には洗浄用にジャージャーと注水がされているので
モニターに映っている動画は暗い海底のような感じがする
そこに探照灯を点けた海底探査艇が動き回っている
ときどき黒い岩礁に突き当たるが 藻のような海草が揺れてたりする
岩礁の奥まったところに 小惑星イトカワが隠れている
(なんでイトカワやねんて? これがほんまに似てまんねん)
いやいや 隠れてなんかいない 堂々と鎮座している
そこに砲弾を撃ち込んで攻撃しているのだが なんせ相手はデカイ
まるで月を破壊せんとするアトムのごときだ
ゆえに 破砕作業は延々と続く
モニターは首を捻らないと見られないので だんだん首も痛くなる
30分も見ているうちに 飽きて寝てしまった
『ほら こんなにきれいになったよー』と言われて目が覚めた
手術自体で2時間はかかると言われていたのに
たぶん1時間ちょっとぐらいで終わってしまったような感じだ
しかし ドクターもちょっと功をあせってたようで
“全摘”の確認のための膀胱内一周探査なのに
岩礁に潜んでいるカケラがところどころで出てくる
そのうち そりゃないだろう級の大物が出てきたところで
饒舌だったドクターも完全に黙ってしまった
ほんとに全部取れたのかなー 一抹の不安がよぎるのであった・・
2010.12.07:tnw
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