FPのひとりごと
▼KさんのことA
Kさんにはお世話になった なりっぱなしだった
でもいま考えてみれば とても不思議な関係だった
私は ほとんど学校にも行かず バイトとナンパに精を出す不良学生
Kさんは バイトしながら裁判官を夢見て司法試験合格を目指す苦学生
歳もちがうし 性格も水と油のように際立ってちがってた
なのに なぜか 不思議とウマが合った
Kさんは 孤独であった
仲間は みんな卒業して就職していった 当然のように
“浪人”仲間が唯一の友達だが 彼らのことは嫌っていた
ああはなりたくないと言っていた いつも
でも悲しいかな実態は彼らとなにも変わりはなかった
Kさんとは いつも他愛無い話をしていたが
ときどきまじめに話す時事問題はベクトルが一緒だった
貴乃花が好きだったKさんは ラジオを“見ている”と言ってた
“痔主”だったKさんは 風呂で念入りに患部を洗う様子を
微に入り細に入り話してくれたが 私はそれを笑い転げながら聞いていた
たまにキャッチボールをしたが フォークボールもどきが得意だった
私が『いま かなり 落ちましたよ』と言うと かなり得意げだった
一緒にジョギングをしたとき『先行きます』と言ったら悲しげだった
私のアホな学友の悪口を言い合っては大笑いした
卒業が決まったとき お寿司をごちそうしてくれた
自分は ほとんどなにも食わずに・・
Kさんは いま どこで なにをしているのだろう
2010.10.20:tnw
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