FPのひとりごと

▼脱サラ物語I

土建屋さんの社長と付き合うには
高尚な経営論などをぶっても時間の無駄だ
彼らは重機一台から創めた“たたき上げ”が多く
勘定はドンブリでも 経営の(皮膚)感覚はかなり鋭い
生半可な知識をひけらかしたところで相手にはされない
要は その話が“実利”をもたらすかどうか それがポイント
そこんところをズバっとプレゼンすれば簡単に落とせるのだが・・

バブル後に土建屋さんの決算書を拝見すると
B/Sの資産の部に『代表者貸付金』等の項目をよく見つけた
会計上は 会社が社長に“お金を貸した”ということだが
計上されている金額がハンパじゃねー 大きいところは億単位だ
億単位の会社の金をなぜ社長が借りねばならないのか 不自然だ
相手の懐に飛び込んで聴いてみる 『これ ほんとは なに?』
『バカヤロー てめえに関係ねー!』この辺をかわして食いつくと
ま いわゆる“使途不明金”だということがわかる
それ以上のことは もちろん武士の情で聞かないが
だいたいは政治的不規則支出か女性関係的不規則支出ってなところだ
こういう系統の支出は表に出すことはできないので代表者貸付金になる

この貸付金を放っておくと えらいことになった
会社と社長の関係とはいえ貸付だから利子がなきゃおかしい
利子を計上していない場合は 当局のご指導で利子は5%と決められた
いわゆる『認定利子』ってやつだが バブル直後だからこんなもんだ
代表者貸付金が1億円あれば 毎年500万円の利子が発生する
1億円を個人で返すのは至難の業なのに 借金が1年で500万円も増える
10年間それを放置していたら 借金は5,000万円も増える
税務署だって黙ってはいない この利子相当分に課税してくる
でもって これがあると金融機関が融資をしてくれなくなる
まさに 踏んだり蹴ったり だ

そこで 我々の出番がやってくる

 
2010.03.04:tnw

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