FPのひとりごと
▼悲しいウサギ@
子供の頃は 誰だって
ことの後先を考えずに行動する
興味の対象に一点集中し よそ見をしない
それが ときに とんでもない結果をもたらすことがある
ヤマドリ(正式名は?)って知ってる?
大きさはキジをちょっと小型にしたぐらいで
目の覚めるような青色系の綺麗な鳥だ
こやつ どうも人間をからかう癖がある(としか思えない)
飛べないのか飛ぶ気がないのかわからんが
人間がいるのがわかっても 平気で逃げない
逃げないというのではなくて 決まった距離を保つ
こっちがちょっと近づくと その分やつも(早足で)離れる
この関係が微妙で 気付いているようないないような素振り
ある程度までは近づけるので 子供なら『イケル!』と思ってしまう
で そのうち山の中に誘い込まれて 遭難しかける
こんなことが何度もあった ヤマドリは悪い奴だ
川原の土手で遊んでいて白い野ウサギを見つけた
4・5人いた仲間は全員一点集中してドッグレースの如き追跡
約2時間にもおよぶ逃走&追跡劇が始まった
むこうだって捕まったらなにをされるかわかったもんじゃないから
まさに“脱兎”のごとく逃げる逃げる 必死だ
走力は明らかに向こうの方が一枚上であったが
こっちだってせっかく見つけた獲物を逃がす手はない
大人ならとうに諦めているであろうが
子供のこういうときの集中力はハンパじゃねー
とっぷりと日が暮れ カラスが山に帰る頃になって
ついに追い詰めた もう根負けしてるような感じであった
何人かが捕まえようと手を出したが ことごとく失敗
私が手を出すのとウサギがジャンプするタイミングがピッタンコで
私が その白いウサギを捕まえたのであった
獲物を手にしたクソガキどもは意気揚揚と引き上げていった
誰が飼う? みたいな話になったが とりあえず大人に見せた
『あーこれ○○さんちから逃げたウサギでねーかー』と言われた
えっそりゃーないでしょう とは思ったが
そう言われりゃ−そこんちに見せにいくしかないので
そこんちのおばあちゃんに見せたら
『捕まえてくれたの ありがとう』と言われた
サクセスストーリーが音を立てて崩れていってしまった
だいたい野生のウサギを子供が捕まえられるわけがない
さっきまでの興奮が一気に冷めて クソガキは三々五々帰路についた
最後まで残っていた私に ばあちゃんは
『あとで 御礼にいくから・・』といってたが もうどうでもよかった
2009.12.21:tnw
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