FPのひとりごと
▼トラウマA
私が引っ越した町は
駅から徒歩30分ぐらいのところで
大学付近よりは明らかに町場寄りであったが
レトロで庶民的 言い換えれば 貧乏くさい町並みだった
その中でも そのアパートはかなり異彩を放っていた
不動産屋で物件案内を見せられたとき
築年数の欄がブランクになっていたが
よく見ると砂消しで消した後があった
事実(たぶん築60〜70年)を見せたら
誰もが尻込みするからであろうが・・
不動産屋のポンコツ車に乗せられて“現場”に着いた
さすがの私もぶっ飛んだ
どんだけがんばったらこんなにボロくできるのか
ちょっと想像できないぐらいの“物件”だった
どう見ても昭和の物件には見えなかった
不動産屋が築年数を消去するはずである これでは
正面の玄関前に立った
んっ 一瞬 平衡感覚がおかしくなったのかと思った
玄関をまっすぐ見ているのに左に5°ほど傾いていた
土間の玄関で靴を脱いで階段を昇ったが
想像どおりどんよりと暗く便所臭かった
私の部屋は階段を昇ってすぐ左側の部屋であったが隣が便所だった
案内された部屋は昼間でも薄暗くじめーっとしていた
6畳一間に0.25畳の台所 北側に小さな窓 壁は土壁・・
留年して就職もフイにして どん底気分のところに
ある意味最高にフィットする どん底の住まい
生まれて初めて どん底というのを味わった
2009.11.29:tnw
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