FPのひとりごと

▼“矢切の渡し”と私・・C

その後
ちあきなおみ は芸域を広げ
というより本来の才能を発揮し始め
演歌 ポピュラー シャンソン ジャズ で
異彩を放つとともに 玄人筋をうならせる
一方 CMやバラエティーで芸人としての
奇異ではあるが親しみのあるキャラを演じる

私 個人的には『黄昏のビギン』が好きだ
ちあき が いろんな呪縛から解き放たれた開放感で
ジャンルに縛られず 好きに歌っているのがいい

私生活では郷エイ治(エイは金ヘンに英)と結婚する
郷は宍戸錠(宍戸開の父)の実弟だ
俳優であったが TVのアクションものの脇役クラスだった
その郷が”92年に亡くなってから 彼女は一切歌わなくなってしまった
もう17年にもなるのに 歌わないどころか一切表にも出てこなくなった
骨の髄まで 歌手で芸能人で芸人でもある彼女がだ
ステージに立って歌うことが人生そのものだった人がだ

よほど充実した結婚生活で 最高のパートナーであったんだろう
最愛の夫を失うこと=自分の居場所そのものを失うことだったんだろうか
ここに ちあきなおみ の強烈な情念を感じる
『矢切の渡し』で私の胸に突き刺さった あの情念だ
自分の全てを捨てて 生涯 荼毘に付すつもりなんだろう

mmmmmm

ちあきなおみ

悲しくて 潔くて 見事で やっぱり・・悲しい
このまま 一生歌を封印するも人生
でも
老境に入り 人生の悲哀を知り尽くした ちあきなおみ

   あなたの歌が聞きたい
 

2009.11.19:tnw

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