FPのひとりごと

▼青春のキネマE

延長線の後半
タイムアップぎりぎりのところで
僕はメンバーチェンジでコートインした

心の準備はまったくできていなかった
『オマエいたのか・・』というコーチの言葉が
どうしても心の片隅に引っかかっていた・・
もっと早く使っていればよかったということか
オマエしか残っていないのか!ということか
自分の中ではっきりとしないままコートに立ってしまった


延長線もほんとにタイムアップ寸前のところで
速攻でゴール下に詰めていた僕に絶妙のパスがきた
これを決めればまさに“ブザービーター”だった
パスを受けドリブルでフィールドゴールを決めればいい
サッカーで言えばGKなしのPKみたいなイージーなゴールだった・・
それを僕はなにを思ったのかドリブルせずにその場で
ジャンプシュートをしてしまった ありえないことだった
平常心などどっかに吹っ飛んでいたんだと思う
そして そのシュートもはずしてしまった
そのリバウンドを相手チームに取られ
速攻で逆転ゴールを決められて なんとそこで タイムアップ!

1点差の敗退だった

1点差での敗退ということは僕がシュートを決めていれば
逆に1点差で勝っていたということになるわけで・・・

チームのシーズンもここで終わってしまったが
僕のバスケ人生もここで“FIN”となってしまった

放心状態の僕にチームメイトが『オマエのせいで負けた』と言い放った
もちろんわかってはいたが グサリと僕の心に突き刺さった
チームメイトの顔をまともに見ることはできなかった
いろんな思いが頭の中をグルグル高速回転し卒倒しそうになっていた





2009.10.08:tnw

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