FPのひとりごと
▼ほしい車−現在 過去 未来 C
ちょうど30年前
大学を出て就職して
横浜の保土ヶ谷の独身寮に住んでいた
寮は横須賀線の保土ヶ谷駅から歩いて20分だったが
山を切り開いて丘にしたようなところのてっぺんにあり
けっこうな勾配をとぼとぼと歩かなければならなかった
その丘は近辺一帯が高級住宅街になっていて
見たこともない邸宅がずらっと並んで建っていた
ほぼ毎日最低一往復はするこの坂道は私にとっては目の保養になっていた
『都会の暮らしっちゅうのはこういうもんなんだ!』 と
きょろきょろしながらぶらついていたのに
よく不審者として通報されなかったもんだ
ここの住宅街ではよく外車を見かけた
ベンツ BMW VW が多かったがこのぐらいなら知っていた
しかし ある日 ある住宅のカーポートで見た外車は衝撃的だった
初めて見た車であったが流麗なフォルムでめちゃカッコよかった
人目で好きになり 近寄って車名をみてみると“OPEL”
OPEL!? なんじゃそりゃ? 全く知らないメーカーであった
たぶん“セネター”だったと思うがカッコいいだけでなく
横浜という街に 高級住宅街に ピッタンコはまっていた
あの車が 我が田舎にあっても浮きまくるだけで似合わない
横浜の丘にある高級住宅街でこそ燦然と輝くのであった
その後 OPELのことをいろいろ知るにつけ
憧れも購買欲も徐々に薄れていってしまったが
あの衝撃の出会いだけは一生忘れられない
2009.08.12:tnw
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