FPのひとりごと

▼ハードボイルドだど!

  『生きてることが痛みなのさ・・』


ハンフリー・ボガードがつぶやいたら
いかにもキマるセリフだし意味深に聞こえるだろう

ハードボイルドそのものだ

でも我々脊損患者には深い意味など何もない
まるっきりそのまんまの意味しかない

事故直後 救急病院に運ばれ
ICU〜HCU経由で病室に落ち着いたころ
首から下は自分の体ではなかった
自分の意志で動かせる部分がほとんどなかったし
なんとなくそこいらへんに“ある”ことはわかっても
自分の体に 感覚というのものがなく不思議な感じだった
でも 時間の経過とともに痺れに伴う“痛み”が出てきた
私の場合は 正座をし続けて痺れた足の感覚に似ているが
私より重度の方の場合だと はっきりした痛みを感じるようだ
この痺れや痛みが日中ずーっと続いていて開放されることがない
しかも身体の部位によって痺れや痛みの軽重・種類がちがうので
このものすごくイヤーな感覚を言葉で表現することはできない
ただ 健常者がこの感覚を体験したら5分と持たないであろう
我々は生きていくしかないので 我慢するしか方法がないのだ
最初の頃は 寝ていても痛みでよく目を覚ましたもんだが
そのうち痛みに身体が順応して睡眠中だけは痛みから開放された
でも 目覚めの時間が想像を絶するぐらい痛い
睡眠中に身体がおもいっきりこわばるのだ これがハンパじゃない
プールで足がつったときの痛みの10倍ぐらいの痛みがいきなり襲ってくる
自分は痛みには強い方だが それでも絶叫したいぐらい痛い

1日だけでいいから この痛みから開放されてみたい
これが脊損患者の共通の願いだ



2009.07.14:tnw

HOME

copyright/tnw

powered by samidare