FPのひとりごと
▼木に竹を接ぐA
小田実の著述か対談の中で
彼が中国人(だと思ったが)のインテリの話として
『中国には自由もなくなったが飢餓もなくなった』
というニュアンスの記載があったのを覚えている
革命後の中国の現状を的確に伝える“生の声”として貴重だ
なにせ 中国はあの広大な国土に14億人もの人口を抱える
14億もの民を統治するだけでもめちゃたいへんなのに
14億人分の糊口をしのがなければならない
ちょっと考えてみただけでも並大抵のことではない
人間は “明日如何に生きるべきか”よりは
“明日如何に食うべきか”の方がずっと切実で重要だ
そんな意味で 中国は北朝鮮とは全然ちがう国ではある
革命後の中国で餓死者が出たなんて聞いたことがない
中国については そこのところはきっちり評価しなければならない
革命後のプロセスの中で
共産党の指導部がある程度の強権を発し
障害を除去しながら統治せざるを得ないことは
理想のユートピア造りの一段階としても必用ではあろう
でも それはプロセスだから許されることであって
いつまでも民主化を妨げることの理由にはならない
天安門事件から20年
民主化の市民運動を戦車で圧殺した中国政府
あのとき学生や一般市民は体制に楯突いたのではない
もっと身近な集会の自由とか言論の自由とかを求めただけだった
そんなある意味起こるべくしておきた市民運動に
100万人の学生・市民に 平然と発砲した中国政府
改革開放路線の成功で 経済大国になろうとする今
逆に 天安門事件の意味はますます重くなってくる
2009.06.07:tnw
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