FPのひとりごと

▼Y君のこと@

Y君は高校時代の同級生です
クラスが一緒になったこともないし
たぶん話をしたこともありません
お互い顔を知ってる程度でした

私は週に2回隣町の障害者用施設で
特殊な機械を使った入浴をお願いしています
そこで 偶然にY君に再会したのでした
そこの施設は 療養型の施設で
新しくて 広くて 設備も整った施設です
私に介助してくれる家族がいなかったら
私も入所を希望していたでしょう

彼は20歳で障害者になりました
風の噂には聞いていたんですが
まさか こんなところで こんな境遇で
再会するとは 夢にも思いませんでした
学生時代に小学校のグランドで
サッカーゴールにぶら下がっていて
そのゴールが倒れて下敷きになってしまったんです
同じ脊髄損傷ですが 彼の方がはるかに重度です
私の場合は 両手両足はある程度動きますが
彼は 手がちょっと動くだけで その他は動きません
身の回りのちょっとしたこと以外は
ヘルパーさんのお世話にならないとできません
移動は車椅子ですが 電動の車椅子です
1日の大半を ベッドの上で過ごします

彼は ものすごく穏やかです
まるで悟りを開いた仏陀のようです
口に筆をくわえて 水彩画を描きますが
心の乱れのない 見事な筆致です

彼を 私の復活祭に誘いました
行きたい と言ってたのに来てもらえませんでした

私には 彼の気持ちが痛いほどわかります

                (つづく)
2009.05.08:tnw

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