FPのひとりごと
▼好きだったのに−萩原健一C
ショーケンの凄さは
演技を超えて体内に秘めたパワーそのものだと思う
それが〈正〉なのか〈邪〉なのかは問題ではない
圧倒的なパワーが溢れ出して体外に飛び散り
それが 観ている物の全細胞を揺り動かす
彼は元々狂犬病寸前の野良犬なのである
彼は誰にもなつかないし 味方もいない
凶暴なパワーを体内に宿し
かかわるものすべてに牙をむいていく
一時期 大衆車のTVコマーシャルで
善良な“課長”を演じていたが
かなりの無理があったし 違和感を感じた
そして やっぱり“地”が出てCM界から去っていった
彼と対峙するなら 同じパワーでぶつかるか
あのパワーを吸収していくしかない
そんなことができるのは
監督なら 黒澤明 北野武
俳優なら 山崎努 北野武 桃井かおり
ぐらいしか思い浮かばない
孤高の一匹狼なのである
でも あの才能を埋もらせておくのはもったいない
彼はアルチュール・ランボーのように
社会のルールでは縛っておけない芸術家なのだ
もう一度 あの“イッテル”目を見てみたい
2009.04.11:tnw
⇒HOME
copyright/tnw
powered by samidare