FPのひとりごと

▼資産運用の目的C

それなりの期間を生きてきた人間には
一生忘れられない風景というのが
必ず いくつかはあるんだと思います
私が その日見た風景がまさにそれでした

ガス屋を辞める直前の春のことでした
いつものコースを いつものように回り
“至高のティータイム”が近づいていました
そういえば 西側の木蓮の花が咲いてる頃だなーなどと
ホクホクの気持ちのままで辿り着きました

『ん あれ?』

いつも木戸は開いてて
そのまま車で邸宅まで行けてたんですが
めずらしく閉まっています
しかも “関係者以外立入禁止”の看板まで・・
ちょっといやな予感はしましたが
気にせず 木戸を自分で開けて中に入りました

入ってみて とにかくビックリしました
あの見事に咲き乱れていた花畑が荒れ放題です
そして いたるところに立看板が林立しています
異様な雰囲気に圧倒されて 車を降りました
近くにあった立看板が目に入りました
読んでみて・・・我が目を疑いました
そして 立ちつくしました

『くたばれ クソババー』

たしかに そう書いてありました・・

天地がひっくり返ったような錯覚を覚えて
くらくらと眩暈がして 倒れそうになりました

まさにこれ以上ない罵詈雑言が並んでいましたが
つなぎ合わせてみると 一つの事実が浮かび上がりました
この家のご主人(おじいちゃん)が亡くなったようです
1ヶ月前はお元気でしたから 急逝だったんでしょう
で 相続問題が勃発し おばあちゃんと息子夫婦側が対立
ということだったんだと思います
邸宅には おばあちゃんが住んでいたんでしょうが
バリケードで完全に封鎖されて 中の様子はわかりません

相続でもめるというのは 庶民には無関係で
ドラマや芝居の世界のことと思っていました
それが 私の目の前で しかも懇意にさせてもらっていた方々が・・
ショックでした

遥かなる緑の草原が 荒涼たる原野になってしまった

のでした

                    (つづく)

                         



2008.12.09:tnw

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