FPのひとりごと

▼好きだったのに−萩原健一A

傷天のショーケンは
とにかく理屈抜きでカッコよかった
当時 貧乏学生の身分では
どんなに背伸びしても手の届かなかった
人気ブランド『メンズ・ビギ』を
パリッと 着こなして
ブラウン管の上を所狭しと
暴れまわっていた

傷天は キャスティングも
今考えれば なかなかエキサイティングだった
ショーケン 水谷豊は もちろんだが
脇を固めていたのが
岸田今日子 岸田森 西村晃 船戸順・・・
ゲストもすごかった 覚えているだけでも
緑魔子 金子信雄 中山麻里 吉田日出子 桃井かおり・・・
もう二度とそろわない名優・怪優のオンパレード
キャスティングだけでも ぞくぞくする
当時は 全然知らんことだったが
スタッフも すごいメンバーだった
脚本は 市川森一他だが 監督は
深作欣二 工藤栄一 神代辰巳・・・
こりゃー すげ−もんができるわなー
確か この番組は『俗悪番組』のレッテルを貼られて
世の顰蹙を買っていた と記憶しているが
“そんなの関係ねー”若者には“バイブル”だった

今の若い人が見たら どう思うんだろうねー
時代の感性みたいなものって やはりあるんで
なんとも思わん人もいるんだろうが
あの時代に あの若さで あのキャスト・スタッフで
そして稀代のカリスマ ショーケンで・・・
奇跡的な接点・調和があって
あんな名作が できあがったんだろうねー

                 (つづく)



2008.11.07:tnw

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