FPのひとりごと
▼カリスマの凋落−ソニー生保A
我々の世代(around 50)では
ソニーというブランドは別格でした
今でも知る人ぞ知る『デンスケ』は
ま 高級なテープレコーダーですが
当時は 手の届かぬ“高嶺の花”でした
そのソニーが・・
ゲーム機を売っちゃ−だめだよ 絶対!
ブランドイメージは完全に崩れ
私の中では“ONE OF THEM”
に なってしまいました
本体の不振が影響したわけではないんでしょうが
ソニー生保も 一時の輝きを失いつつあります
私 生保の募集も 業務の一つとして行ってますが
取扱保険会社の中に ソニー生保は入っていません
一部の商品には興味があったので
代理店向け説明会に出てみたことがあります
私の経験から言えば 保険会社というところは
大きくなればなるほど 勢いがあればあるほど
我が道を行く→わがまま→傲慢になっていきます
大手損保に在籍→退職して よーくわかりました
自社ブランドに自信があればあるほどその傾向が強くなります
そして そういうところは自信があるが故に
募集人(代理店)を囲い込もうとします
言い換えれば自社の“専属”代理店であることを
直接 間接に求めてきます
要は 『他社の商品など売る必要はないだろ!』
という自信 過信 傲慢 の裏返しです
メーカーとして商品供給だけに徹するということが
高いプライドがジャマしてできないんです
でも これはエンドユーザーである契約者にとっては
非常に 迷惑な話なんです
例えば わが社にお客様が来社して
とにかく〈・・・・・〉という条件で一番安いものを!
と 要望されても1社だけの取扱では比較すらできません
お帰りいただくか ごまかすか しか方法がありません
びっくりしたことがあります
『逓増定期保険』という法人向けの商品がありました
過去形ではなく いまでもあることはありますが・・
“節税”商品の一種で 中小企業に爆発的に売れていました
正直 当時は合法的な販売方法ではありましたが
国税にとっては 目障りな“グレーゾーン”商品でした
売れまくっているとき ソニー生保だけは扱ってませんでした
当時は どういう意図でそうしたのかは外部からは不明です
が 最前線の販売部隊は『ない』としか言えず
法人顧客の前で さぞ切ない思いをしたことでしょう
ところが その後 立派な逓増定期を出してきました
『ほー』と思って知合いのソニー生保代理店に聞いてみました
『やっと 出たねー で どんな感じ?』
『んなもん 絶対売らねーよ!!』
『????』
聞いてビックリ!
保険の代理店というのは 保険募集の媒介をした際
いただいた保険料の○○%という形で“手数料”を収受し
それが その代理店の売上になるんですが
ソニー生保は逓増定期の手数料率を“1%”にしたんだそうです
部外者にはわからないでしょうが これ ありえない話なんです
他社の数十分の一のレベルです
これでは 労多くして益なしで 誰も募集などしません
とりあえず ラインナップだけは整えておこうという
別に 募集代理店の営業効率なんざどうでもいい
という 一種の驕りとしか思えません
語るに落ちるとは まさにこういうこと!
んんーーん・・・
出井さんがCEOのとき
身売りしようという動きがありましたが
先見の明があった と私は思うんですが・・・
(つづく)
2008.11.01:tnw
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