▼フジロックの思い出@〜ドラゴンドラ〜
いやー、更新遅れて申し訳ない。
スズキです。
今回は菊地さんと同様に、フジロックレポをお送りしますよ。
とは言ったものの、何から話せば良いんだかわからん。
第一、前夜祭〜帰りまで五日間もあったわけで、
これ全部書いていったらいつまでたっても終わらんです。
そういうわけで、今回は思いついたことをパラパラと綴っていこうかなと。
よって、「男根崇拝事件」や、「あった〜いジョージア事件」等の興味深い話はまた後ほど。
今回は一日目での頂上の出来事について話すことにいたしましょう。
このフジロック、ご存知の通り会場はスキー場なんで山なんですよ。山。
わかりやすくまとめると、「マウンテン・デュー」っていうことなんです。
何やら話を聞くと、この地形を生かしてフジロックでは山の頂上にも一つステージがあるらしい。
それが「SILENT BREEZE & DAY DREAMING」。
これは大変気になる。
では、この頂上にはどうやって行くのかと思いチラシを見てみると、
“世界最長スーパーゴンドラ「ドラゴンドラ」”なるものに乗って行くらしい。
ちなみに、フジロック特別価格で往復1000YENらしい。
これは大変気になる。
そんなわけで、一日目の朝は特に見るものもなかったので、
そのドラゴンドラ乗り場をちょこっと見に行ってみることにしてみたわけです。
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このドラゴンドラ乗り場、会場とは全く別のキャンプサイトの外れにあるらしい。
この、フェスの初日にメインステージを無視して頂上を目指す己のアウトローぶりに、少しだけドキドキする。
キャンプサイトをみんなとは逆の流れに歩き続けて5分。
キャンプサイトの最果てに辿り着いたところに、一つの看板が立っていた。
「ドラゴンドラ乗り場 →」
は?
どこに道があるのかわからん。
それに、こっちはどう考えても森だ。
しかしよく見ると、殺人事件の現場によくある「KEEP OUT」って書いてあるテープみたいなやつが木々に張ってある。
どうやら、これが「こちらが道でございます」ということらしい。
普通の人間ならここで引き返すところだが、ここまで来るのも時間がかかったわけで、
このまま帰るのはいくらなんでももったいない。
恐る恐る足を踏み入れてみることにした。
深い森に進めば進むほど、楽しそうな喧騒は後ろに遠ざかっていく。
道も普段は人が通らないようなもので、山を登ったり下ったりの繰り返しで歩きづらい。
しばらく進むと、丸太でできた橋が出てきた。
それほど古いものではないのだろうが、
周りに誰もいないということもあり、とても不安になる。
それを渡りすこし歩くと、
「注意!危険ですので登ってはいけません」
と書いた鉄塔の下まできてしまった。
もう人の声はまったく聞こえない。
鳥とセミの鳴き声。
さらに、ブーンという無機質な機械音だけが聞こえる。
「引き返すなら今だ・・・これ以上進むと元の世界に戻れないような気がする」
踵を返して戻ろうとすると、
一人の女性が後ろからスタスタ歩いてきて、俺を通り越して進んでしまった。
それで、ふと我に返って進むと、すぐゴンドラ乗り場が見えてきた。
そこには、その女と俺以外誰もいない。
ゴンドラ乗り場に入ると、女はスタスタ進んでゴンドラに乗ってしまった。
どうやら、前もって切符を買っていたらしい。
俺も続いて、朴訥な顔で突っ立っているオヤジから切符を購入。
ゴンドラに乗り込んだ。
ゴンドラは6人は乗れるだろう大きなもので、中には4つのうちわがくくりつけてあった。
これで涼めということか。
所々に急な高低さのある山道をただただ「ブーン」という音を出し続けながら進んでいく。
世界最長というだけあって、頂上につくまで30分弱かかってしまう。
思いのほかすさまじい孤独を感じながら、ゴンドラは俺を乗せて頂上へとゆっくり進んでいった。
途中、ゴンドラ下3メートルに、
じっとこちらを見ている熊と鹿の置物があったが、それは全く意味がわからなかった。
かくして、ゴンドラは頂上に着き、俺は苗場スキー場の頂点に登りつめた。
そして、そこに広がるのは非日常の風景であった。
(つづく)
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2004.08.08:tdr02
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