▼鈴木の「悶絶テスト日記」

今日はこれから待ちに待ったFUJIROCK!!
ってなわけで、大した量の文章を書くことができないので、
この日のために書き溜めておいた「テスト日記」を今日の日記に代えさせていただきます。

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☆7月26日(月) くもり&雨☆

今日から噂の地獄のテストウィークがスタート。
つまりは、ファミコンで言うところの「バード・ウィーク」みたいなものだ。
これって工学部のオリジナルの企画なんだろうか。
今までの時間割を無視したオリジナルの時間割が組まれるのだ。
これは或る一人の男の戦争の記録である。

●1コマ目
たくさん聞いたこともないカタカナが出てきた。
わけがわからないので、テストと一緒に配られた資料に目を通すと、
こんどはカタカナに加え、アルファベットもたくさん書いてあった。
もっとわけがわからない。
ここで、徹夜をしたわけではないのに急に眠くなる。
眠気と戦いながら、必死に思案をめぐらせていた。
すると、突然「勉強」という言葉の中に「便器」という言葉が隠れていたことに気づいた。
自分の中で何らかの点数は上がったので、もう十分に満足してテストを提出した。

●4コマ目
問題のフォントがやたらでかい。
俺がメガネだからといって馬鹿にしているに違いない。
あとでなんらかの対処はとらせてもらう。
あまりの怒りで、問題を解けるような精神状態ではなかった。


☆7月27日(火) 晴れ☆

昨日は夕方から0時まで寝ていた。
それから、伊集院光を聞きながら勉強でもしようかと思った。
しようかと思ったけど、結局はラジオを聞きながらプリントを眺める程度に終わった。
まあ、何もしないよりましか。3時過ぎにまた眠くなり就寝。
6時に起床。
だが、眠気がとれずに7時までまた眠る。
結局、疲れだけが残った。

●1コマ目
同じサークルの和田さん風に言うと「『してやられたな』・・・っていう」っていう感じだ。
中間の時は、毎回演習で使われているプリントから出たので、
今回もプリントを勉強していたら、一問も出やしない。
まんまと担当教官のあのとぼけた顔に騙されたわけだ。

それに加え、いつもの教官とは別の見慣れない教官が、
「突然俺の横に来てはずっと俺の答案を眺め、そして去る」というのを何度も繰り返し始める。
お前にセットされているそのプログラムはなんだ。
まったく集中できん。

●2コマ目
問題2でちょっとしたことが起こった。
問題2は2つの計算問題であったので、
独自の計算方法を駆使し、パッパと答えをはじき出した。
しかしその後に、ふと問題の下を見ると、
「ヒント:tan(の-1乗)0.744=36.65°」
と書いてある。

なんだこれは。
こんなものは俺の計算には出てこなかった。

だが、ここで気づいた。
どうやら俺は先生から与えられたヒントに頼ることもなく、答えを導き出してしまったらしい。
己の学力のあまりの高さに、驚いてしばし呆然としてしまった。
あんまり驚きすぎたので、問題5と問題6を解くことが不可能であった。

●3コマ目
プリントなどをもらっていたものの、1コマの勉強に時間割きすぎて、
全くといっていいほど何もやっていなかった。
つまり、全てはストックされた知識にかかっているわけだ。
ここの教室は段差があるので、前の人の回答が容易に見えてしまう。
俺も後ろが気になったので、見られないように問題用紙で回答用紙を隠しながら解いていった。
次々と問題を解いていると、ふと前の席のやつがカンニングペーパーをふでいれに仕込んでいるのが見えた。
教官が二人もいるのに、たったの一人のカンニングも見つけられんのか。
俺はカンニングするやつを見ても、「ちくってやろうか」と言うよりも、
「百円あげるから見せて」と言いたくなるタイプなので、そのまま見過ごした。
まあ、他人が書いたカンペなんぞ、ちょっと安心するくらいの効果しかないんだろうけど。

♪安〜心を買った〜 ど〜してか心を〜 売って〜 買った気がしてたら〜

そういや、母が昔カンニングの鬼だったということをふと思い出した。
テストの度にいろんなカンニンググッズや方法を発明していたそうだ。
中でも、分度器などの文房具を使ったカンニングは、先生をもうならせるものがあったらしい。
高校のマラソン大会なども、先生達が見えないところまで行ったら、
友達と一緒にコースを外れて買い食い三昧していたそうだ。
おかげで担任の先生は、まったく帰って来ない数人を泣きながら探し回ったらしい。
ガキの時はそれを聞いて「ふうん」程度しか思わなかったが、今考えるととんでもない女だ。
それによく考えたら、あんたの母親も教師だろうが。

●4コマ目
数学。捨てテストのつもりであった。
授業も半分以上出ていないし、出たところで黒板が記号ばっかりで何書いてるんだかさっぱりわからん。
さらには、教科書も教科書で全く意味わからん。
本当は出ないつもりでいたが、来年のために問題用紙だけもらっておこうと思い、出席。

ところが思いもよらないことが起こった。
まず、解答用紙に直接問題が印刷してあり、そのまま出す形式だった。
これでは問題を持って帰ることが出来ない。
さらに驚いたのが問題形式。
全部でXまで問題があるだが、こんなにルールの多いテストは初めてだ。
・Tは5問とも4択問題。1問につき20点。
・Tで60点以上取っても60点にしかならない。
・Tの4問目を間違えると、その先のV・Wが自動的に採点してもらえなくなる。
・T〜Xで100点以上とっても、100点にしかならない。
・U〜Xの問題は全部で60点(くらいだった)ある。
・U〜Xの問題にはボーナスポイントが存在する。独創的な回答には点をくれるらしい(どんなだ)。
と、ざっとあげればこんなもの。

つまり要約すればこういうことだ。
「筆記問題がわからんくても、選択問題を最低3問クリアすれば6割とれる」

これは、生粋のギャンブラーである俺に対する挑戦状であると確信した。
いただきストリートでは5倍買いを何より愛し、エスポワールでザワザワな俺に対する挑戦状である。
つまり、これは数学のテストではない。
トトだ。
5つの数字の組み合わせ。それが3つでも合えばいい。

そう考えた俺は、すでにU以降の問題に興味はなかった。
90分をフルに使って、数字に組み合わせを考えた。
中でも、曲者はそれぞれのCの選択肢だ。

「C:@、A、Bの中に正しいものは存在しない」

これはいやらしい。
本当にいやらしい。
そういえば担任のオヤジもいやらしい顔をしていた。
俺はうんうんとうなづいた。
この選択肢を配置することで、奴は俺に対して心理戦を要求しているのだ。
「小僧、これはただの数当てではないぞ」と。

しかし、俺は周りにいる他の腑抜けギャンブラーとは違う。
オヤジよ。それで一歩出し抜いたつもりか?
こういう自信過剰のオヤジは、いやらしい選択肢をここぞという時にだけ使ってくるものと決まっているのだ。
では、どこか。
ここで上記のルールを思い出してほしい。

「Tの4問目を間違えると、その先のV・Wが自動的に採点してもらえなくなる。」

オヤジ無念!
ここがCだ。
俺を試すつもりだったようだが、どうやら愚かすぎたようだ。

さらに、オヤジのいやらしさを考えれば、
ギャンブラーを不安をさせるためにも、同じ選択肢の組み合わせを多様してくるに違いない。

このような天才的なギャンブラーセンスを炸裂させながら、
俺は完璧な数字の組み合わせに丸をつけて、テストを提出して教室を出た。
もちろんU〜Xは白紙だ。
オヤジはいなかったが、もしいたら目を見ながらこう言っただろう。

「お前が弱いんじゃない。俺の運が強すぎたんだ。」と。


・・・ところが、教室から出て教科書を見るとことごとく間違っていた。
それはもう奇跡かと思うほどに。
これは何故か?

なるほど。
俺はすぐに気づいた。
簡単なことだ。

『テストはギャンブルではない』


☆ちんこ月ちんこ日(ちんこ) ちんこ☆

上記のちんこ云々は、別に日にちを調べるのが面倒くさかったわけではない。
我がラジオメガネの長、林氏に対するオマージュである。

今日は4時までテストがないということで、あさってからのフジロックに備えて、
暑苦しい髪をどうにかしようと思いたつ。
ミキサーのTKから教えてもらった美容室に散髪に出かける。
若い男の美容師が、どんな感じにする?と聞いてきたので、
「髪型なんぞはなんでもいい。とにかく髪の量を減らしてくれ」と頼む。
TKの話だと、受付の女がやたら態度が悪いということだったが、
実際に言って話を聞くと、アシスタントの女は国家試験とやらを受けているので今日は休みらしい。
残念。

●5コマ目
これが始まるまで、真っ暗で誰もいない大示範教室で昼寝をしていた。
クーラーがアホほど効きすぎていて、寒い。
結局いつもの教室ではなく、この教室でテストを受けることになった。
この授業は一般教養なので、過年度生がやたらいて全体の人数も異常に多い。
(もともと、この授業は一年の時に落とした授業だった。)
なもんで、他の授業とは違い女性の人数も多く、何か新鮮なものがある授業なのだ。

というわけで、今日は周りにいた一人の女性に目をつけ、
「俺と彼女は恋人同士で、いつも同じ授業を受けている。
 もちろん、今日のテストも彼女と一緒に勉強をしていた。
 どちらかが終わったら、もう片方が終わるまで待って一緒に教室を出る約束をしている。
 そのあと二人は喫茶店で、今日のテストの出来について話すのだ。」
・・・プレイをすることにした。
俺は一人っ子なので、幼少期から「妄想」という人間にのみ許された遊びをよく嗜んでいるのだ。

そうと決まったら、彼女に格好悪いところを見せるわけにはいかないので、
彼女よりも早く解答を終わらせることに努めた。
(きっとあとで尊敬されるに違いない。)
そして、俺は30分と経たないうちにそれを達成した。
本当に自分の学力の高さには、驚きを通り越してあきれを憶えるほどだ。
難しい証明問題を俺はたったの5行で終わらせてしまった。

ところが、彼女がまったく終わる様子がない。
当分の間は、「おそらくていねいに解いているのだろう」と思って待っていたが、
さらに30分経っても終わる様子がない。
早く終わらせてくれ!、と心の中で祈る。
だが、どうやらのんびり解いているようだ。
まったくまったく終わらない。

仕方ない正直に言おう。

「俺は今、うんうんが漏れそうなんだ。いいから早く終わらせてくれ」

最終的には便意の勝ちであった。
俺は彼女を待たずテストを提出し、急いでトイレに駆け込んだ。

やはり、妄想では現実には勝てない。
たとえ一人っ子でも。


☆7月29日(木) 晴れ☆

昨日の夜、NHK-FMでピクシーズとシガー・ロスのライブをやっておった。
それのせいで勉強どころではなかった。
明日、そのピクシーズが生で見られるのだ。
それのせいで勉強どころではなかった。
フジロックの準備もしなければならなかった。
それのせいで勉強どころではなかった。
それのせいで勉強どころではなかったのだ。

今日の●1コマ目に最後のテストがある。
それをさっさと提出した後、フジロックに向かう。

よって、テスト日記はこれで終わりだ。
最後に一言。

「お父さん、お母さん。

・・・なんていうか、あの〜・・・
 う〜ん・・・
 その・・・
 
 『本当にすみませんでした。』

 息子より」



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以上、テスト日記でございました。
楽しんでいただけましたか?

ま、それはそれとして、
全てを忘れてフジロックを楽しんでくる所存でございます。
終戦後の祭りはさぞ盛り上がることでしょう。
わくわくです。

OK?
OK。


では、行ってきます。


2004.07.29:tdr02
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