なあまずノート

▼雪は春の南風で融ける

4月10日(日)、晴れ。

今月に入り、お寺のお勤めが少しづつ多くなってきた。
年度替りで、ようやく人も動き出してきた。
街中も、震災前と同じように車が走っていて、元に戻ったような感がある。
ただし、これはやはり、まだ外見上そう見えるだけではなかろうか。

先週末、大きな余震(と思われる)が起きて、3月11日の恐ろしさがよみがえったように思う。
それに、福島原発の事故はまだまだ予断を許さない。
ただ、ネット上の記事や書き込みを読んで、ある時期ドーンと落ち込んでしまったので、意識して見ないようにしている(それが、真実だとしてもだ)。
NHKで流すニュースを、裏を読みながら観ている、そんな有様だ。

今日は午前中に法事があり、山間部の集落にあるお宅にお邪魔をした。
田んぼには、まだまだ雪が覆っていている。

そのお宅の30代の息子さんに「この雪じゃ、まだまだ消えなくて、田んぼは遅れるなぁ」と言ったら、彼はこんなことを言った。
「いやぁ、ここからは早いさぁ、たちまち消える。死んだお祖父さんが、春の雪は春の南風、暖かい風で融けるって、言っていだもんだ」

なるほど、そうかもしれぬと、今日の風にあたりながら思った。

しかし、今年は…、微妙だ…、っていうより怖い。
現場(原発)で、命がけで作業にあたっている人たちが、がんばっている。
もう、祈るしかない。
来年、「春の雪は、南の風で融ける」と心おきなく言えることを。



画像 ( )
2011.04.10:あら

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