なあまずノート

▼主将でエースで4番

4月4日(月) 夜、テレビで東北高校野球部の甲子園の選抜大会出場に関わるドキュメントを放映している番組を観た。

ちょうど、地震が起きた3月11日に、出場前の様子を撮影していて、練習場で地震に遭ったところから始まっていた。
予想を越えた大災害になり、出場できるのかどうかという事態になる。
学校やチームとしてもたいへんなのだが、その選手一人一人の家庭もほとんど被災しており、中には実家の消息がつかめない生徒もいたのだ。

そんな中、試合日程を一回戦最終日に組むという主催者の配慮もあり、出場することを決める。
そして、出発当日、選手がボランティアをしていた避難所の人たちに見送られ甲子園に出発する。
主将は出発の挨拶で、「甲子園にほんとうに行っていいのかどうかわからないけれど…」という言葉を出す。
地元でたいへんな被害が出ている様子を目の当たりにして、甲子園で野球をしていていいものだろうか、という迷いの気持ちが素直に出ていた。
「気持ちの切り替え?!切り替えるということはできないと思うし、しないほうがいいのではないかと思う…」(大意)という言い方をしている。

上村君という主将で、しかもエースで4番打者。
彼の言葉から、じつにまともな感情を持った若者だと感じる。
気持ちを切り替えて、元気に戦うことがみんなの元気になる、というような言葉は、傍では言えるが、まさに被災地の渦中にあっては、どうだろう。

果たして、甲子園で東北高校は攻守に本来の力を発揮できたとは思えない試合ぶりで、一回戦で敗れた。
地震から数日はまともな練習はできなかったであろう。
おまけに、上村選手はチームをまとめていかなければならない立場で、投手としての調整は万全にできなかったと想像する。

主将でエースで4番。
すごい選手であることはまちがいないと思う。
東北高校のような全国でもトップレベルのチームで、この3役を担うというケースはそうあるものではない。

できれば、いいコンディションでの試合を観てみたいと思う。


画像 ( )
2011.04.05:あら

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