なあまずノート
▼(81)変見自在 『サダム・フセインは偉かった』
燻R正之:著(新潮文庫)
週刊新潮に連載中の人気コラム「変見自在」のコラム集。
かなり、辛口である。
表題の「サダム・フセインは…」を見ただけでも、その切り口が想像できそう。
新聞社系の週刊誌にはとても書けまいと思う。
文庫の帯に「正義ほど怪しいものはない」と書いてある。
正義を振りかざすものほど疑ってかかれ、その裏にはきっと良からぬ魂胆があるんだから…。
辛口のコラムといえば、山本夏彦がいた。
テレビという巨大なジャーナリズムで流す正義は、「茶の間の正義」と呼び眉唾ものとした。平和な世の中で語られる平和論を一蹴していた。
「変見自在」では、アメリカという超大国が振りかざす正義、新聞が自国(日本)に向けた自虐的と思われる正義、大学教授という権威を纏った正義…。
まやかしの正義を一刀両断にするのだから小気味良い。
解説によると、良いコラムとは、「面白い、ためになる、真実を衝く。わかりやすく、リズムよく、かいつまんで言う。」というもので、このコラムはまさに六つの要件を満たしている、と。
なるほど、その通りで、一気に読んでしまった。
ただし、著者は、ジャーナリズムの見方は、歴史やその背景にあるもの、誰がそのことによって得をして、そのことがどこに影響するのか、とうようなことをよく見詰めよと言っているに違いない。
そういう意味では、このコラムもちょっと斜に構えて受け止めなきゃいけないんだろうなぁ。
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2011.03.23:あら
[2011.03.24]
続けて… (あらあら)
[2011.03.23]
変見自在 (さや)
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