なあまずノート
▼(64)『アブラクサスの祭』
玄侑宗久:著 (新潮文庫)
躁鬱病で分裂的精神状態にあるという僧侶 浄念。
その妻 多恵。
浄念の師僧 玄宗。
その妻 麻子。
それぞれが主語を持って書かれているが、大半は浄念が主である。
冒頭から薬を服用して、躁鬱病の症状に対する効果が表れるまでの45分という時間をその感覚と心の動きを書きだしている。
きっと、世の中にはこういう精神の病を抱え、薬を頼って暮らしている人がいる。僧侶だってけして例外ではないのだろう、と思う。
若い頃からロック音楽をやり続けてきた浄念が、そのお寺がある小さな町でライブをやるというところまで、周囲の人を巻き込みながら、時に心が動き、あるいはすうっと静まったりしながら登りつめて(?)ゆく。
そうして、小さな会場でライブは始まり、何かが浄念に降りて来たようにこう惚とした状態になり、話は終わる。
何が浄念に降りてきたのか、或いは抜けてしまったのだろうか?!
うむむむ。
映画化されて一部で公開されているらしい。
ちょっと見てみたいような気がする。
画像 (小 中 大)
2011.01.21:あら
⇒HOME
(C)
powered by samidare