なあまずノート
▼(59)『他人と深く関わらずに生きるには』
池田清彦:著 新潮文庫(380円)
再びこの著者の本。
他人と深く関わらずに生きることができたら、きっとさっぱりした、日常を送れるのではなかろうか。
逆に、なんとなく寂しいというか心細いというような思いも、あるような気がするけど。
この両方があるというのが正直なところなんだろう。
地域のコミュニティにどっぷりと浸ってしまうと、どうしても、自分の本意ではないのだが、関わってしまい、なんとも息苦しく面倒くさいことに巻き込まれてしまう。
ノーと言えないのだ。
自分が他人を当てにしなければならないことがあるかもしれない(あるだろう)、という、ちょっとした不安感があるからだ。
きっとこれは田舎者的な志向だと思うのだ。
理想を言えば、それぞれの個人が共通のミッションがあるときだけ、それが集まり終われば散ってゆく。
それがクールに繰り返される、というのがいいんだろう。
一個人がそれぞれに覚悟を持って生きている社会というのは、きっと成熟した社会への基礎なのだろうと思う。
「他人と深くかかわらずに生きるためのシステム」というところになると、少しドライに過ぎないかという思いもある。
自由な競争で、必要なものだけが残ってより優れたものとなり、必要とされないものはなくなっていくのだということなのだが。
なんだか、田舎に住んでいると、数の勝負で山村からは結局何もなくなってしまうのではないか、などと球に弱気になりう〜むなどと唸ってしまう。
やはり、自分は田舎者だなぁと感じる。
ここをつきぬけてゆかなければ完全個人主義は無理なんだろうな。
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2011.01.02:あら
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