なあまずノート
▼(53)『異国トーキョー漂流記』
高野秀行:著 (集英社文庫)
この作者、かなり面白そうな人、といか、変な人と言うか…。
辺境や、こんなところには、「普通行かないだろう」というところへわざわざ出かけてゆく。
それも、ちゃんと(というか、その方法も可笑しんだけど)、その(辺境の国の言葉)を学んで身につけてゆくという、考えてみれば律儀と言うか要領の悪い、というか、そこんとこも面白い。
そんな、彼のところにやって来る外国人もかなり不思議で面白い人が集まって来る。
その彼らと、トーキョウ(東京でなく)で見る風景は、今まで見てきたそれとまるで違って見えてきた、という。
現代の最先端のIT事情や流行にはまるで乗ることができずとも、しっかり人間を見ているな、そんな感じです。
それにしても、たまたま隣のシートに乗り合わせたペルーからやってきた自称「日系三世」のウエキという男が、就労ビザを取得できなかったのは、「祖父が植木金太郎という書類を持ってきたのは、あなたで百一人目だ」と入国管理局で言われてきた、という話はかなり笑えた。
で、やがて悲しい気分になった。
画像 (小 中 大)
2010.11.15:あら
⇒HOME
(C)
powered by samidare