なあまずノート
▼(48)『養老訓』
養老孟司:著 新潮文庫
敬老の日、敬老週間だからってわけじゃないんだけど、ちょっと前に飼って積んでおいたのを手にとってみました。
著書が70歳になった時(数年前)に刊行されたものなんだそうです。
九つの訓にわけて、年をとってから機嫌よく人生を過ごすためのヒントというか秘訣をまとめているようです。
70歳っていうのは、今の世の中では、敬老会にお呼ばれしたとしても、「まだ、そんな年じゃぁない」って感じで、元気な人が多い。
その半面で、「やっぱりトシだなぁ」なんて日常で親の姿を見ていると感じることも確か。
なんていうか、自分も「70歳まであと20年」ということになって、口に出して言ったりしてます。
けど、その年になったとしたら、あと何年っていうのはあまりにも生々しくて軽々しく口にできなくなるんじゃないかと思います。
いかに年をとってから機嫌よく生きるか。
この場合の「年をとった」は、著者の70歳ぐらいあたりからのことと受け止めていいんでしょう。
講演をしていて、聴衆の中に不機嫌そうな顔をして笑わない年配の男性のことが気にかかり、あんなふうにならないためにはどうしたらいいのかというのが始まりです。
いらっしゃいますね。
不機嫌ってことでもないのかもしれませんが、仏頂面で、感情を表情に表わさない(表わせない)でいる方。
何か、心に引っ掛かりやわだかまりを抱えたままなのかもしれません。
年をとってからは、できるだけ、先のことを心配しないようにして、年をとったからこそ若い頃には許せなかったことも余裕を持って構えていた方がいいのかもしれません。
私の祖父は、とても機嫌の良い人であった、そう周囲の人が話してくださいます。
自分の記憶にもいつも笑っている顔が思い浮かびます。
そんな境地になりたいものです。
そう言いながらも、もの言う年よりでいたい、という想いもあったりするのですけどね。
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2010.09.22:あら
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