なあまずノート
▼『お坊さんだって悩んでる』
著者 玄侑宗久 (文春新書 文藝春秋社)
そうです、坊さんも悩んでおります。
この本は、月刊『寺門興隆』(興山社発行)という、言ってみれば業界誌?!に連載されていたお悩み相談をまとめたもので、相談者のほとんどはお坊さんである。
日頃、私が抱えている問題や、檀家の方に質問される内容がたくさん含まれています。
他人事ではありません。
いまや、和尚さんでもきちっと教えることができないことが、世の中にはたくさんある。
社会的な制度が変わったり、自然や社会の環境が同じではないし、国際化もしている。
だから、お坊さんの悩みは、世の中、社会全体の悩みといっても差し支えないのだろう。
この頃は、私のように少々若い坊さんに、尋ねやすいと感じるのか、いろいろな方から雑談の中でも、法事の席などでも、お寺のこととか仏事のことを様々尋ねられる機会が多くなっている。
例えば…
これからお墓をどうすればいいのか(夫婦両方の親の墓の問題、宗旨が違ってる、永代供養のこと・・・)
ペットをどのうに葬ればいいのか(人のお墓に埋めてよいのか?、ペットも成仏するのか?)
法事やお葬式はしなければ成仏できないのか(やらないでもいいのか、お布施はどのくらいすればいいのか)
などなど、例を挙げればきりがありません。
「昔からそういうものだから」というのでは、説得力がありませんし、今はそれで済むものではありません。
でも、昔からしてきたことには、何かしら理由がある。
そこら辺にも目を向けて、相手と向き合って、本質的なことを話し合っていきたいと思うのです。
必ずしも、世間的に正しいとか、理屈でわかることだけではなかったりします。
だからこそ、お寺という世間とちょっと違う空間があり、お坊さんという存在する意義があるのだと著者は述べています。
この著者は、そこらへんのところを、なかなか良い呼吸で説法しているなぁと感じるのだ。
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2010.07.15:あら
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