多田耕太郎BLOG

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山形セレクションの認定を受けてから三年目になり、三月末には、私の農園の認定も更新時期を迎えます。
山形セレクションの認定制度は五年前に発足していて、私のところより以前に認定を受けているところでは再審査を受けてほとんどのところが更新しているようです。
制度自体は、斉藤前知事の時代に制定され、山形のトップブランドとして全国、世界へ発信していくという、ブランド戦略としては、とても期待の持てる素晴らしい施策だと発表の当時は、私も思いました。ただ発足当時の基準では、認定を受けるためのハードルが高く、私のところの生産規模では倍以上の売上高が必要な上に、品質管理や栽培管理に多数の手間ひまがかかりそうな内容で、販売額の増加とのバランス等を考えると、認定しもらうのは、まだまだ先のこと、手の届かないことと思っていました。
それが、門戸を広げるために審査基準の引き下げが行われ、平成二十年度からは、私の農園でも売上規模で、手の届く範囲になり、応募し認定を受けることができました。
山形セレクションの認定を受けたということは、工業製品、農産物、観光施設、そのほか山形県が、外に向かって発信できるものから選別し、真に山形の宝として県民の誰もが誇りを持って勧められる物を作り、サービスを提供しなくてはならない。ブランドイメージを損なうことなくセレクション認定品以外の、自社販売品も含め品質を高めていく指針をしっかり掲げ、生産販売両面で生産者独自のブランドも確立していかなければならないと考えました。
私としては、セレクション品だからと言ってこれまでより高値で販売したりせずに、品質をより高めて、生産と販売の拡大に努めることが必要と思って努力してきました。
ただ、一昨年、知事が変わり、山形セレクション制度についての山形県としての対応が後退している、という感は否めません。
せっかくの制度が、生かし切れていないのが現状ではないかと思われます。
私としては、認定を受けた当初から生産者としていろいろな場面で発言してきたことですが、生産物そのものの認定だけでなく、生産工程や園地自体の認定審査を厳密に行っていくべきだと考えています。
たくさんの農産物の価値基準は多岐にわたり、最終的に消費者が判断することは、それぞれのレッテルや口コミの情報に拠るしかないという現実があります。
生産物の栽培に適した気候環境、土壌、園地の管理状況そして何よりも、生産技術のレベルをきちんと審査基準に盛り込んで認定し、その中から日本のみならず世界に向けて販売できるブランドにしていくべきだと思っています。
TTPへの参加問題が取り沙汰されている昨今、私は、コストと規模の差のみが足枷になっているという論議に終始している、という印象を持っています。
それぞれの農産物で事情、立場が違うのは分かりきったはずなのに、農業という一括りで論じてしまうところが問題だと思います。
いずれ、TTPに参加せざるをえないだろうという発想から、飛躍かもしれませんが、山形セレクションの認定制度の活用が山形県農業の生き残りに、大きくかかわるように私には思えるのです。
山形セレクションの認定更新書類を前にして考えたことです。
2011.02.13:多田耕太郎:count(2,293):[メモ/ブログコンテンツ]
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