多田耕太郎BLOG

▼放射能の風評被害について

シーズン当初はごく一部の、幼い子供さんがいるお客様から、今年は遠慮します、という連絡を受けましたが、大方のお客様方からは「山形は大丈夫ですよね」とか「こう言うときだから頑張って注文するよ」などとお言葉をいただきました。
特に被災地の方々からは、お見舞いのお返しに使いたいという注文が数多く寄せられ、今年は販売量がそんなには落ち込まずには済むのかな、と思われました。
それが、佐藤錦の終盤が近づく頃から、例年高級品を多めに注文くださるお客様より「送り先の方から、今年はさくらんぼでないものにして欲しいと言われたので、多田さん今年は悪いんだけど見合わせさせてください」という連絡が何軒からかいただきました。
私の方から山形県が発表している数値などを説明しても、ほとんどの方々は、「先様がいやがるものを贈るわけにはいきませんよ」とか甚だしい方は「政府や公的機関の発表するデータなんて信用できないですからね」と、はっきりおっしゃるかたもいらっしゃいました。
放射能という目に見えない汚染が、物理的にだけでなく精神的にも広がってしまっているのだな、と改めて感じています。
誰にも向けられない怒りを抱きながら、今年注文を見合わせたお客様方が、来年は晴れてご注文いただけることを祈るばかりです。

2011.07.06:多田耕太郎

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