有限会社コンサルネット

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信頼関係を築く

 京セラでは、創業以来、心の通じ合った社員同士の結びつきを経営の基盤においてきました。お互いが感謝と誠意をもって心を通わせ、信頼関係の上に立って仕事を進めてきたのです。

 コンパや様々な行事は、全員が心を開き、結びつきを強める機会として重要視されてきました。上司と部下の関係であっても、信頼関係のベースがあれば、お互いに本音で言いたいことをハッキリと言い合うことができます。

 それによって、問題点が誰の目にも明らかになって、仕事がスムーズに運んでいくのです。

 こうした信頼関係を築くためには、日ごろからみんなの心の結びつきを作り上げるようお互いに努力することが必要です。

仲間のために尽くす

 人の行いで最も美しいことは、人のために何かをしてあげるという行為です。人は普通、まず自分のことを第一に考えがちですが、実は、だれでも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心を持っています。

 かつてアメリカで起きた飛行機事故で、一人の男性が自らが助かるというその瞬間に、側で力尽きそうな女性を先に助けさせ、自分は水の中に消えてしまうという出来事がありました。人間の本性とはそれほど美しいものなのです。

 私達は、仲間のために尽くすという同志のつながりをもって、みんなのために努力を惜しまなかったからこそ、素晴らしい集団を築くことができたのです。

常に明るく

 どんな逆境にあっても、どんなに辛くても、常に明るい気持ちで理想を掲げ、希望を持ち続けながら、一生懸命努力を重ねてきた結果が京セラの今日をつくったのです。

 人生は素晴らしく、希望に満ちています。常に私には素晴らしい人生が開かれていると思い続けることが大切です。

決して不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちをもったり、ましてや人を恨んだり憎んだり妬んだりしてはいけません。

 そういう思いを持つこと自体が人生を暗くするからです。非常に単純なことですが、自分の未来に希望を抱いて、明るく積極的に行動していくことが仕事や人生をよりよくするための第一条件なのです。

感謝の気持ちをもつ

 社内に人の輪がないとお客様に喜んでいただけるものはつくれません。なぜなら、製品にはそれをつくる人の心が反映されているからです。

 ところが、オレがオレがといった利己的な考え方では、社内に輪をつくっていくことはできません。

 私たちが今日あること、そして存分に働けることはお客様や取引先はもちろん、職場の仲間、家族といった周囲の多くの人々の支援があるからこそできるのです。

 決して、自分たちだけでここまで来られたわけではありません。このことを忘れず、常に周囲に感謝の気持ちをもち、お互いに信じあえる仲間となって仕事を進めていくことが大切です。

常に謙虚であらねばならない

 世の中が豊かになるにつれて自己中心的な価値観を持ち、自己主張の強い人が増えてきたといわれています。

 しかし、この考え方ではエゴとエゴの争いが生じ、チームワークを必要とする仕事などできるはずがありません。

 自分の能力やわずかな成功を鼻にかけ、傲慢不遜になるようなことがあると、周囲の人たちの協力が得られないばかりか、自分自身の成長の妨げにもなるものです。

 そこで集団のベクトルを合わせ、よい雰囲気を保ちながら、最も高い能率で職場を運営するためには、常にみんながいるから自分が存在できるという認識のもとに、謙虚な姿勢を持ち続けることが大切です。

素直な心をもつ

 素直な心とは自分自身の至らなさを認め、そこから努力をするという謙虚な姿勢のことです。

 とかく能力のある人や気性の激しい人や我の強い人は、往々にして人の意見を聞かず、たとえ聞いても反発をするものです。

 しかし、本当に伸びる人は素直な心をもって人の意見をよく聞き、常に反省し自分自身を見つめることのできる人です。

 そうした素直な心でいると、その人の周囲にはやはり同じような心根をもった人たちが集まってきて物事がうまく運んでいくものです。

 自分にとって耳の痛い言葉こそ本当は自分を伸ばしてくれると受け止める謙虚な姿勢が必要です。