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(株)イー・キュー・ジャパン 代表取締役 高山 直 [著] ●四六版 210頁 ●東洋経済新報社 ●価格1,680円(税込) 「人の気持ちが」わからない人」と言われないために・・・・ 話し方ではなく、話しかけられ方が重要だった! 人の感情に慣れ、感じる力を鍛えることが、 「こころの距離」を近づける。 ベストセラー『EQ こころの鍛え方』に続く第2弾! 「こころの距離」に注目したEQの能力開発方法をご紹介します!
著者からのメッセージ
「私の会社(組織)に元気がない、どうやったらEQで元気になりますか?」 最近、経営者の方や管理職の方からよく受ける質問です。そんなときは逆に「皆さんの会社(組織)では挨拶されていますか?」「おはよう!ありがとう!の言葉が飛び交っていますか?」と質問させていただきます。この質問にほとんどの方は「えっ!? 何か関係があるんですか……?」と絶句されます。組織を元気にする方法は、世界中のビジネスパーソンが最も知りたいことの一つでしょう。私は「元気な組織」のヒントは「こころの距離」にあると思います。 組織という人の集団を元気にするには、制度や仕組み作りも大切ですし、その運用が決めてでもあります。しかし、いくら素晴らしい仕組みを作って徹底的な運用管理を実行しても必ずしもうまくいくとは限りません。なぜなら、その仕組みを考えるのも、運用するのも「人」であり、その対象も「人」だからです。人には感情があります、組織となれば複数の人々の感情があり、それぞれの感情の間には距離が存在します。本著では、その距離を「こころの距離」と表現しています。制度や仕組みが機能するためには、組織を構成する人たちのこころの距離を近くし、お互いのこころが理解しやすく、考えも伝わりやすいこころの距離が大切になってきます。こころの距離が遠い会社や組織では、どんなに素晴らしい制度や仕組みを導入しても元気にはならないものです。 経営者の方や管理職の方だけでなく、サービス業の皆さまからEQを活用して販売力を向上させたいというご相談があります。そんな時にも「お客様とのこころの距離が鍵です」とお答えすると、「う〜ん、なるほど」と納得されます。医療関係の方には「患者さんとのこころの距離が大切です」で納得されます。教育関係の方には「生徒さんとのこころの距離が大切です」で感心をされます。最近では、子育てや家庭内の悩みなど個人の方からのご相談も増えてきました。「お子さんとのこころの距離を近くしましょう」「家族とのこころの距離がすべてです」とお答えしています。「こころの距離」という言葉が、皆さまの課題や悩みの解決のヒントになっているのではないでしょうか。 ビジネスの場面のみならず、家族、家庭、コミュニティ、学校、仕事や職場、恋愛や結婚など、社会生活のすべてが人ととのかかわりで成りたっています。その人と人との間にはこころの距離が存在します。あなたの近くに一緒にいて心地よいなあと感じさせる人はいらっしゃいませんか。そう思わせる方は自分のこころの中に距離を測る物差しがあるのではと思ってしまいます。相手と接する中で自然に物差しを使いながら絶妙な距離感を保てているのではないでしょうか。 私たちは10年前に「こころの知能指数」といわれるEQ(Emotional Intelligent Quotient)に出会い、EQ理論の提唱者のピーター・サロベイ、ジョン・メイヤー両博士の協力を得て、イー・キュー・ジャパンを創業しました。主な事業はEQ理論と検査システムEQI(Emotional Intelligent Quotient Inventory)の活用で、日本の各企業を対象に企業風土の改革、組織開発や人材育成プログラムの実施などを中心に活動をしてきました。 最近では企業だけでなく、大学をはじめ学校などの教育関係、病院など医療・介護関係の皆様からもたくさんお話を頂いております。また、中央官公庁や自治体の方々に向けての研修や講演の機会も増えてきました。大学生はキャンパスやアルバイト先での人間関係に悩み、主婦の方は夫婦の関係や子育て、子供さんとの接し方などにEQが使えないかと、企業のみならず個人の方々からもたくさんお話をいただいております。 私そういう方々とお会いする中で、EQを活用して社会生活の中でおこっている人間関係などの悩みをわかりやすい形で整理し解決できないかと考え、今回「こころの距離」というテーマでまとめてみました。 こころの距離を近づけるためには、積極的にEQアプローチ(相手との感情のギャップを近くする行動)する人はもちろんですが、そのアプローチを受け止め、それを返す側の協力が重要かつ大切だと思っています。数あるビジネス書では、上司や管理職など【アプローチする側】に対する上手な誉め方・励まし方・叱り方がテーマになっています。もちろん大切なテーマです。しかし、私はこころの距離を語るにはアプローチされる側、誉められた方、励まされた方、叱られた方の【受け止め手側】の協力なくしては成立ないと思っています。受け止め手の返し方こそがこころの距離を近づける鍵だと思っています。 挨拶をする人とされる人を考えてみましょう。「おはよう!」の言葉に「どうも……」の一言、これでは挨拶する側も次からは挨拶をしたくなくなります。「よくやったね!」の誉め言葉に「いま、忙しいので後にしてください」の一言、これでは誉めようという気力はそがれてしまいます。励ましの言葉が「おせっかい」と受けとめられたり、叱ったことが「怒られた」と感じられたり……。社会生活においてみなさんもご経験されていると思いますが、誉めるのも励ますのも勇気とエネルギーがいります。叱るに至っては、我慢と忍耐も加わる大仕事です。その大仕事の結果が逆効果になってしまっては、あまりにも悲しいではありませんか。そう考えれば、受け止め手側の返し方がいかに重要で大切かおわかりいただけると思います。こころの距離はお互いの協力と共同作業ではじめて実現できるのです。 わたしは前著『EQ こころの鍛え方――行動を変え、成果を生み出す66の法則』で66の鍛え方をご紹介しましたが、それはまさに、自分の感情を知り、相手の感情を知る力の鍛え方ですが、その目的こそ「こころの距離」を近づけるためのトレーニングそのものではないかと、本書を執筆するにあたって感じました。 ビジネスのみならず、社会生活を楽しく、幸せな日々を送るにあたって「こころの距離」がいかに大切か、本著で知っていただきたく思います。後半では、具体的なこころの距離の近づけ方も紹介しております。前著同様、日常生活ですぐにできるトレーニングばかりです。明日からと言わず、本書を見ながらすぐに実行してみましょう。 高山 直
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